2014年9月15日月曜日

【保存資料】 どうなる放射能汚染物の処理【4】“原発並み”の放射能抱える東京の下水道施設:廃棄物・リサイクル:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ− 2011.8.2

下水道施設が放射性物質の集積地点となっている──。
 下水道が生活の場から放射性物質を取り除くという非常に重要な機能を果たしている反面、もともと放射性物質を取り扱う施設になっていないことによる外部への流出による“二次汚染”が懸念されている。


原発並みの放射能

 東部スラッジプラントの周辺を調査し、同プラントからの放射性物質の再飛散の危険性を指摘した神戸大学大学院教授の山内知也氏がとくに懸念していたのは下水道施設に集まる放射性物質の量である。

 「焼却灰で1kg当たり1万ベクレルとか2万ベクレル。それが1日に100t。(下水道施設には)すごい量の放射能があることになります。普通の研究室が持っているレベルじゃない。これは原発並みですよ」

 下水道施設に集まる放射性物質の量について、東京都議会議員の柳ヶ瀬裕文氏が試算し、6月24日に都議会で発言している。

 「東京都から提出された1日当たりの汚泥の量、焼却灰の量、そして放射能の量、こういったものを掛け合わせていくと、1日当たり、東京都全体の下水汚泥の総放射能量、これは約21億5000万ベクレルになります。焼却灰の放射能総量、これは17億6000万ベクレルなんですね」

 1日で約21億5000万ベクレル。これが東京都の下水道施設に集積される放射能量という。仮にこの状況が1年間続くとすると、7847億5000万ベクレルである。これほど大量の放射性物質が集積される場所は原子力関連施設以外ではまず考えられない。
 柳ヶ瀬氏の都議会での質疑の引用を続ける。

 「とてつもない量の放射能、放射性物質を扱っているわけですが、ポイントは、放射性物質は焼却してもどこかに消えることはないということなのです。その姿が気体になったり、固体になったりはするものの、トータルの放射能量、これが減ることはありません。つまり、この汚泥に存在した21億5000万ベクレル、焼却灰となって捕集した17億6000万ベクレル、この数字を引いた1日3億9000万ベクレル、これが行方不明となっているのです。どこに行っているかわからない。都は、この3億9000万ベクレルがどこに行ったのか、これを合理的に説明することができるのでしょうか」

 この質問に東京都の松田二郎下水道局長は答えなかった。3億9000万ベクレルの行方について、柳ヶ瀬氏が質疑の中でこう述べている。

 「大きな可能性としては、これは2つあります。排ガスとなって大気に排出されている、もう1つは、水処理によって溶けている、そのどちらかです」

 この行方不明の1日3億9000万ベクレルが施設外に出ているとしたらどうだろうか。大気中への1年間の放出量は1423億5000万ベクレルにおよぶ。これがどのような数字なのか。

 たとえば、青森県六ヶ所村に、原発から発生する使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す六ヶ所再処理工場がある。この六ヶ所再処理工場が1年間に放出することを許されているのはヨウ素131で170億ベクレル、セシウム137で11億ベクレルである。これらを合わせた181億ベクレルに比べると、東京都内の下水道施設から放出される放射性物質は約8倍に及ぶのだ。

 施設ごとの試算でも、たとえば新河岸水再生センター(板橋区)では1日で約1億3700万ベクレルが行方不明となっている。年間で約500億ベクレルに達し、六ヶ所再処理工場の3倍近いとの結果が出ている。

 さらに調べていくともっと恐ろしい数字にいきあたった。それは東京都の下水道施設における放射性物質の放出量が原発並みであることを示していたのだ。以下に具体的に示す。

 今回の放射能汚染を引き起こした福島第1原発が1年間に放出する最大量として定められているヨウ素131の量は4800億ベクレル。柳ヶ瀬氏の試算からヨウ素131の行方不明分のみを取り出すと1日で1億4800万ベクレル。1年間では540億ベクレルとなり、福島第1原発の9分の1の放出量となる。

 福島第1原発には1号機から6号機まで6基あり、このヨウ素131の年間放出許容量は6基を合わせた値となっている。単純計算すると1基分では800億ベクレルとなり、東京都の下水道施設はその3分の2と原発1基分に迫る放出量となる。これは突如として都内に小型の商業用原発が1基出現したのと変わらないといってよいだろう。

 実は、柳ヶ瀬氏が試算に使った6月上旬の採取データかなり控えめなデータなのである。東京都が最初に汚泥や焼却灰の放射性物質を調べた5月中旬採取のデータで試算すると、汚泥中の放射能量が約33億ベクレル、焼却灰中の放射能量が約21億ベクレルで、行方不明量が12億ベクレル、1年間だと4380億ベクレルである。

 これは六ヶ所再処理工場の年間放出量の24倍に達する。福島第1原発とのヨウ素のみの比較でも、1年間で1314億ベクレル(1日3億6000万ベクレル)と原発1.6基分におよぶ。もはや原発並みどころか“原発超え”とすらいえるかもしれない。

 ちなみに都議会では、のちに柳ヶ瀬氏が指摘した放射能の収支が問題になった。理由は、(1)汚泥や焼却灰のデータが2009年度のものだった、(2)別の採取日で計算した場合、焼却灰の放射能量が汚泥の放射能量を上回ることがある──ことから、「根拠のない計算」で「都民の不安をあおるパフォーマンス」だと鈴木章浩議員が指弾したのである。

 これに対して柳ヶ瀬氏は「(1)は都が今年のデータを出していなかっただけで、(2)はむしろ測定データに問題があるのではないか」と反論する。

 実際に柳ヶ瀬氏が試算に使った2009年度ベースの下水汚泥や焼却灰の量と今回都が示した量を比較すると、2009年度データのほうが控えめな量となっており、都が示した直近のデータで試算し直すと、むしろ汚泥中の放射能総量は約21億5000万ベクレルから約23億3000万ベクレルへと増大する。行方不明となっている量は3億3000万ベクレルへと減るが大筋で間違っているわけではない。よって(1)は都がデータを公表したことにより、より正確になったことを喜ぶべきだろう。
 (2)の指摘のように収支が取れないことがあるのはたしかだが、これについては都も認めている通り、サンプリングの誤差や測定のタイミングなど様々な要因がからむ。それはデータに問題があるのであって、試算がおかしいとこの時点で責めるような話ではあるまい。こういう試算をすることが間違っているわけではなく、長期にわたってきちんとした試算をして収支をとることが必要なのである。

東京都は「99.9%以上回収」と主張

 質疑の中で都の松田下水道局長は、下水道施設周辺への二次汚染の可能性について次のように反論している。

 「下水汚泥の焼却によって生じる排ガスやその影響についてでございますが、排ガスは煙突から排出をされる前に、細かいちりなどを除去できる高性能フィルターなどに通しまして、その後、さらにアルカリ性の水によって洗うことで、固形物を99.9%以上回収し、焼却灰が施設外へ飛散することのないよう適切に管理をしております。水で洗った後の排ガスの成分を専門家に委託して測定をした結果、放射性物質は検出されておりません。このため、周辺環境への影響はないと考えております」

 このように東京都は実測した結果、問題なかったというのだが、どういうわけか調査結果が出てから1カ月以上が経つ7月29日段階でも、いまだにその測定結果を公表していない。筆者が入手した調査報告書によれば、測定をしたのは東部スラッジプラントの1号炉で、6月14日のことだ。その測定結果には放射性のヨウ素131のほか、セシウム134と同136、同137が「検出限界未満」となっている。

 ところが、この報告書を何人かの専門家にみてもらったところ、適切な測定ではないと口をそろえる。名古屋大学名誉教授の古川路明氏は「吸引空気量が4m3くらいで、測定が1000秒(約17分)ですか。吸引量も測定時間も短すぎます。この測り方ならどこでも検出限界以下ですよ」と驚いたように話す。
 測定条件をみていくと、排ガスは焼却炉から集じん機、洗煙塔、煙突と通り、施設外へと排出されるのだが、測定はこのうち洗煙塔と煙突の間にある窒素酸化物などの測定のためつくられた迂回路に捕集フィルターを設置し、ポンプで空気を引き込むことでフィルターに粉じんを吸着させる。この時は1分あたり24Lの排ガスを吸引し、3時間38分捕集した(計約3.9m3)。こうして採取した捕集フィルターをゲルマニウム半導体検出器という機械にかけて放射線を測るのだが、この計測時間が1000秒となっている。古川氏が続ける。

 「排ガスは量がものすごい多いわけですが、捕集用のフィルターに吸着する粉じんはきわめて微量で目方はほとんどありません。そういう微量なものですから採取も2~3日間ずっと吸引したり、測定も一晩くらいかけることも珍しくありません。少なくとも100m3、できれば1000m3くらいは(吸引量が)欲しい。ですからケタがぜんぜん違います。それにこんなに(ゲルマニウム半導体検出器で)短く測るのはよっぽど(放射線量が)高いものを測るときくらい。異例ですよ。恣意的とまではいわないですが、いい加減にやっているのは間違いない」

 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏も同意見だった。
 「私たちは3月15日に東京都の空気を測定しました。その時どうやってやったかと言いますと、1分間に500リットルくらい、ハイボリュームエアサンプラー(という機械)で1時間吸引しました。『500L』かける『60分』ですから、3万Lの空気を吸引してその中に含まれている放射性物質の量を調べました。そのときはちょうど(風向きが福島から東京に向いていて放射性物質が)飛んできていた時なので、ヨウ素やセシウムがびっくりするほど含まれていました」
 「私たちが使っているのと比べると(吸引量が)20分の1くらいのもので、約3時間くらいしか(空気を)採ってない。本当ならもっともっと採るべきだと思うし、1000秒の測定というのは……。私なんかは環境の放射能の測定をずっとしてきた人間ですけど、原子力発電所の汚染を見つけようと思うと、1つの試料をゲルマニウム半導体検出器で1週間かけて測定する。1日が8万6400秒で、その7倍ですから60万秒くらい。(都の測定時間は)もう圧倒的に少なすぎる。もっとちゃんとした測定をすべきです」
採取量も、採取時間も足りない

 採取する量が少なすぎ、計測時間も短すぎる。となれば、まともな測定結果が出るわけない。それほどずさんな測定だったというのが専門家の見解である。
 この間、東京都は「下水汚泥焼却炉の煙突での放射性物質を測る方法について、公定法がない」としきりにこぼしている。経済産業省放射性廃棄物規制課によれば、「今回の事故のような事態は想定されていなかった」ため、下水道施設への放射性物質の流入は当然ながら想定されてこなかった。よって規制値がないのだという。 規制値すらないのだから測定方法など定められているわけがない。

 それ以前に、原子力関連施設における排ガス中の放射性物質の測定方法について法的な規定がないのだ。ダイオキシンや環境基準に定められている有害物質が法規制の中に測定方法まで明確化されているのに比べても、きわめて異例である。ほかの法制度から切り離して特別に管理してきたはずの放射性物質の測定方法が決められていないというのは明らかに国の不作為といってよい。その点で東京都に同情すべき余地はある。

 ただし、原子力安全委員会が1977年に決定し、2001年に改訂した「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針」が標準的な測定方法を示している。そこには「測定下限濃度を満たすための代表的な測定条件」が掲げられており、ヨウ素131やセシウム134、同137については、「50L/分で1週間採取」とされ、ゲルマニウム半導体検出器の計測時間は「4000秒」とされる。

 東京都の測定法と比較すると、都の2倍以上の吸引量で、46倍となる丸1週間の採取をして、ようやく4倍の測定時間が許されることになる。ちなみにこの指針で求められる検出限界濃度は都の測定の100分の1近い。都はこの指針の存在についても知っていた。にもかかわらず、あえて指針よりもはるかに短い時間と少ない量のサンプリングとし、計測時間もずっと短くして測定した。これはもはや放射性物質が検出されないような測定方法を最初から選択した“放射能隠し”ではないか。

 改めて東京都下水道局に排ガス測定が適切だったか聞いた。
 「モニタリング指針に比べてどうだとかいう人もいるが、下水汚泥に当てはまる測定方法が明確でないので、そういうのも参考にしながら(測定方法を)決めた。私どもとしては国の通知で示されている濃度限界が唯一の基準と思ってますので、それ以下であれば、“いわゆる定められた基準以下”でクリアとなる。意図的に短くしているんじゃなくて、濃度限界があるなかでそれをクリアする方法を考えた。安全と定められている濃度限界があって、それ以下で検出されなかったわけですし、学識経験者に吸引時間とかガス量とか測定時間についても、きちんとお示しして評価いただいている。私どもとしてはそのやり方で妥当と考えている」(小団扇浩・環境管理課長)

 都は測定結果が出た6月21日から1カ月以上もこの結果を公表していない。その理由は「下水の煙突から測る方法について公定法がない。ですので実際にやった方法が妥当かどうか検証も必要。そういうことについて、大学の先生から見解などをいただいておりましたので時間がかかっている」(同)というものだ。

 その学識経験者による「妥当」との「評価」が具体的にどのようなものなのか。「やり方とかをお示しして妥当だという回答をいただいてる」(同)というだけで、報告書があるわけでも、なぜ妥当と判断したのかの説明もない。こんなことに1カ月以上かかったというのである。
 取材時、小団扇課長は「安心していただくために」と繰り返していたが、通常より厳しい測定条件で測って「だから安心してください」というならまだしも、はるかにずさんな測定方法で「安心しろ」といわれて納得できるひとがどれだけいるだろうか。

 ましてや東京都の下水汚泥焼却炉の排ガス処理設備は原子力施設に設置された焼却炉に比べて簡易なのだ。都によれば下水汚泥焼却施設の排ガス処理設備は、セラミックフィルター、バグフィルター、電気集じん機のいずれかの「高性能フィルター」に、アルカリ水を噴霧する湿式スクラバーという2段構成となっている。

 だが、これが原発にある放射性廃棄物の焼却炉の場合、前段にセラミックフィルターなどを採用するだけでなく、後段に「高性能フィルター」として、さらに微細な粒子も捕捉できる、ガラス繊維のろ紙を重ねたヘパフィルターを設置するのが当たり前である。柏崎刈羽原発のように前段のセラミックフィルターを二重にした上でヘパフィルターを設置するという3段構えも珍しくない。つまり、東京都のいう「高性能フィルター」を二重にし、さらに高性能なフィルターまで配置していることになる。それだけ都の設備は放射性廃棄物を扱うようになってないということだろう。前出・京大の小出氏はこう提言する。

 「トータルとして人々の被曝量を減らさなくてはいけない。やらなきゃいけないことはわかっていて、(焼却炉の)排気系にできるだけ出さない。そのためには性能の良いヘパフィルタを追加して設置するということをまずやるべきだと思います。それに普通の放射性物質を取り扱う施設であれば、排気のところからリアルタイムでまず測っていく。もう1つは長時間吸引して試料をとって長時間測定する。そういうやり方が必要だと思います」

 東京都は、計3カ所の下水汚泥焼却炉で測定を実施し、いずれも放射性物質は検出していないとの“安全宣言”を近く発表する。もし本気で都民の安全を考えるのであれば、こうした提言に耳を傾けるべきではないか。


2014年9月13日土曜日

東京における吸入被ばくの危険性と焼却場

三田医師は、講演会で、「東京はチェルノブイリより悪くなる予感がする」と発言し、その根拠として、「東京でやっていた経験から言うと、食べ物に気をつけているだけでは、とてもじゃないけど追っつかない。検査データが悪い人達の分布を見ると、ゴミ焼却とか下水の処理場とかとの関係がすごく密接だと思います。」と話しています。

東京とチェルノブイリではさまざまな条件が異なります。とりわけ、東京では、チェルノブイリでは決してやらない放射能に汚染された廃棄物の焼却を、人口の密集する地域で、何も危惧すること無く、継続して実施しているという事実があります。

東京のごみ焼却場の分布を示します。


これに、汚泥焼却をする下水処理場を加えると、(日の出の多摩エコセメント工場も含む)



三田医師の指摘通り、2年目の東京白血球異常の西への広がりは、多摩市から五日市に向かう南東ー北西の帯状の分布に沿って、多摩市清掃工場、八王子市北野清掃工場、八王子市戸吹清掃工場、あきる野市高尾清掃工場が、いずれも丘陵上に並んでいる。また、1年目の埼玉県境荒川沿いも焼却場の分布と発生状況が関連しているように見える。

(三田医師講演会より)


焼却場から出る煤煙の影響範囲は、一日当たりの焼却量、煙突の高さにより異なりますが、環境省の環境影響調査の基準によると、以下のような目安となります。 


例えば、八王子戸吹清掃工場の場合、煙突高59mで、影響範囲は3kmということになることが分かります。分布図下のスケールで、自分の家と焼却場との距離を測れば、どの程度影響があるのか推定できます。とりあえず、それぞれの煙突の高さなどは、調べてみて下さい。

処理場の煙突の高さは

煤煙の拡散イメージは(計算の例)



ごみ焼却場や下水処理施設から出た煤煙は、同心円状に広がるのではなく、風の向きに従って拡散するので、その地区の卓越風向は重要です。ちなみに八王子の卓越風向は下図のように、北西~西北西と南から南東の風が顕著であることが分かります。
あきる野、八王子から稲城市の方角に立ち並ぶ施設は、悪いことにこの卓越風の方向と一致しているのが気に掛かります。


2014年9月8日月曜日

原発事故後2回の放射性プルーム拡散 東京では?

 毎日新聞が記事にした資料から、東京について、3月15日と3月21日の大気のセシウム合計濃
度を整理すると以下のようになる。
 浮遊粒子についての測定値なので、ガス状のものは含まれない。また、降雨時には雨滴に取り込まれる(エアロゾルでは特に)ため、粒子性のセシウム濃度は低くなっている考えられる。
 3月15日は福島県で降雨、3月21日は首都圏で降雨が見られる。
 セシウムの形態は、主に、3月15日は粒子性、3月21日にはエアロゾルであったと言われている。


 原発事故後2回の放射性プルーム拡散(東京)   セシウムBq/㎥

葛飾区水元公園 3/15  9:00-10:00 130    3/21 9:00-10:00 175
青梅市東青梅   3/15 13:00-14:00 141   3/21 6:00-7:00      9.3
八王子市館町   3/15 12:00-13:00  38    3/21 8:00-9:00      9.6
川口町         3/15 13:00-14:00  97    3/21 8:00-9:00      9.5 (八王子市川口町か)
町田市熊ヶ谷町   3/15 11:00-12:00  47    3/21 3:00-4:00  11.3

http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/10000/9771/24/tape_1.pdf


福島原発事故:1週間後にも放射性雲 東北、関東へ拡散 毎日新聞 2014年09月05日


 東京電力福島第1原発事故後、上空に巻き上げられた放射性物質の雲状の塊「放射性プルーム(放射性雲)」が、これまで知られていた2011年3月15〜16日に加え、約1週間後の20〜21日にも、東北・関東地方に拡散していく状況が、原子力規制庁と環境省による大気汚染監視装置のデータ分析から裏付けられた。1回目の放射性雲の影響で高くなった空間線量に隠れて、2回目の放射性雲が見逃されていた地域もあった。専門家は「データは住民の初期被ばく量を正確に見積もるのに役立つ」とみている。

 放射性雲の拡散はこれまで、「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)を使ったコンピューター計算に各地の空間線量や航空機による観測データを突き合わせて推定してきた。

 今回、環境省が各都道府県に設置している自動車の排ガスなどを常時監視する装置に着目。東京大大気海洋研究所や首都大学東京などに依頼し、大気中に浮遊するちりを1時間ごとに捕まえたろ紙を9都県約90カ所の測定局から回収して、3月12〜23日分の放射性物質濃度を調べた。

 その結果、福島市の一つの測定局では15日夜、放射性セシウム137と134の濃度が1立方メートルあたり最大計45.5ベクレルを計測した。16〜19日も、原発から放射性雲が出続けていた考えられるが、西風で太平洋側に運ばれたため、大気中濃度は上がらなかったらしい。その後、風向きが変わり、20日午後3時に同計104.1ベクレルに高まり、その状況は21日朝まで続いた。

 雨が降った15日は放射性物質が地表や家屋に沈着し、空間線量が1時間あたり20マイクロシーベルト程度まで急上昇したため、放射性雲が飛来したことが広く知られているが、雨が降らなかった20〜21日は、既に高くなっていた空間線量計の値が目立って上昇しなかったため、放射性雲が見過ごされてきたと考えられる。

 関東地方では、15日と21日の2回、帯状に高濃度の放射性雲の拡散が確かめられた。特に21日朝は茨城県南部や千葉県北東部で放射性セシウム濃度が急上昇。その後、東京湾北東沿岸部へと南西に移動した。その間、雨で沈着し、各地で「ホットスポット」と呼ばれる局地的に線量の高い場所を作ったとみられる。



2014年8月30日土曜日

非汚染地域でも体内被曝 ~ ミンスクにおける子どもの疾病経過

放射能を恐れていたら、食べるものがなくなってしまうという現実がある。ベラルーシのベパル村で出会った女性に、食品の汚染の事を聞いて、怖くないかと聞いた。

彼女は「怖いけれど仕方ないだろ。空腹を抱えて死ぬより、おなかいっぱいで死んだ方がいいからね。」と答えた。

こうした汚染地でも、自分はキノコを食べるけれど、子供には食べさせないといった、家族内での基準が作られていたりした。

モギリョフ州の森からキノコのかごを持って出てきた男に出会った。

「もっぱら私だけが食べています。家族は怖がって食べません。妻は用心して孫にも食べさせません」と彼は語った。

またナロヂチ地区のフリスチノフカ村にとどまっていた人に聞くと、「小麦を植えるのはいやだね。ほかの地域の人々まで汚染したくないからね」と言った。彼は自分の食べる物だけを、汚染地で栽培していたのである。

しかし汚染地の体内被爆量と、非汚染地のそれとの間には、大した差がないことを人々が知った時、この問題からは、どこにいても逃れようがないことを感じただろう。

汚染地と非汚染地の子どもの体内セシウム量が、ほどんど同じだったという結果が出たことについて、ミンスクにあるチェルノブイリ省のプリヤークに尋ねた。彼は役人らしく次のように答えた。

「ゴメリの土壌の汚染は、ミンスクの10倍です。でも人体内に蓄積されたセシウムの量は大体同じです。汚染された肉が事故から4年の間、生産され続けました。86年の時点では、この肉は廃棄されずに機械的に混ぜ合わされていました。穀物も大量に産出されますが、汚染されているので食用にも肥料にも使うことができません。でもそれらを破棄できるかどうかは、すべて私たちの財政状態にかかっています。お金があれば、たくさん食糧が廃棄できるのです」つまりすべては、経済の問題というわけだ。

広河隆一 著 「暴走する原発」より




ミンスクにおける子どもの疾病経過


チェルノブイリ – 17年後


「汚染されていない」地域において明らかな疾病の増加


1997年から2001/2002年にかけて、ミンスク市のある病院が異なる家庭環境の子ども達を対象に定期的な健康調査をおこなった。長くミンスク市に住んでいる家庭の子ども(ミンスクグループ)と、チェルノブイリ事故後にミンスク市に移住させられた家庭の子ども(移住グループ)を比較した。

いずれのグループでも、疾病の増加は愕然とするほど明白である。移住グループの子ども達における影響は、より深刻である。

このことは以下のデータが裏付けるものである。



腫瘍の頻度 (0〜14歳までの10万人の子どもを調査)

             1997  1998  1999   2000  2001
ミンスクグループ    299.4    298    427    503    496.7
移住グループ     1068.8    1004.7  1015   903    1106



気管支喘息の頻度 (0〜14歳までの10万人の子どもを調査)

            1997  1998  1999  2000   2001
ミンスクグループ    675    790    909    1000    1118
移住グループ     1058     979   1176   1006    2000








慢性疾患を患う子どもの数(%)

              1997   1998  1999   2000   2001
ミンスクグループ     15.5%   16.7%    21.0%   22.2%   23.6%
移住グループ       29.0%    33.2%    40.1%   43.7%   50.5%


身体障害児および身体障害の前段階の子どもの数(%)

              1997  1998  1999  2000  2001
ミンスクグループ      0.9%    1.2%    1.1%   1.16%   1.3%
移住グループ        1.3%     1.4%     2.4%  2.7%   3.0%



完全に健康な子どもの数(%)

              1997  1998  1999   2000   2001
ミンスクグループ     6.4%    4.5%    3.8%     3.5%     3.7%
移住グループ       3%     3%      2%      0.9%     0.3%



以上のデータについて、移住グループの子ども達の非常に多くがミンスク市で生まれているにも関わらず、ミンスクグループの子どもよりも病気になる頻度が高いのは何故かという疑問が沸く。

これは、年齢の高い子ども達は幼少期に原発の近くに住んでいたため、また、年齢の低い子ども達は成人したチェルノブイリ被害者の子ども達であるためと考えられる。

また、移住グループの子ども達は学校の長い休みの間、汚染された地域に住み続けている祖父母や親戚の家で過ごすことが多く、経済的困窮から汚染地域の食品を大量にミンスク市へ持ち帰っていることも原因と見なすことができる。

しかし、ミンスク市その他の「汚染されていない」地域出身の家庭の子どもたちの健康状態が継続的に悪化しているのは何故だろうか。1986年の事故当時に、ミンスク市とその周辺は放射性降下物の影響をそれほど受けなかったとされているが、それは間違いなのだろうか。ミンスク市およびその周辺で売られている食品は、当局が主張しているように安全ではないのだろうか。




以下の調査結果は、両方のグループの子ども達を合わせた数字である。子ども達の健康状態が悪いことを上記データに加えて証明するものである。



様々な疾患の増加(%)

                   1997          2001
骨および筋肉の病気    1.3%            2.9%
心臓疾患              13  %           22  %
眼の異常              17  %           24  %
腫瘍                  4.9%           10  %
内分泌障害              6.4%            8.7%



悪性腫瘍および脳腫瘍の頻度 (10万人の子どもを調査)

          1997    1998   1999   2000   2001
悪性腫瘍      57       73      77      104      121
脳腫瘍        15       20     25.8      46       56



奇形および先天性の心臓疾患 (10万人の子どもを調査)

          1997    1998   1999    2000    2001
奇形        1191     1366   1374    1683    1906
心臓の欠陥   706      895    950    1287    1504

2001年にこの病院で生まれた856人の新生児のうち、完全に健康だったのはたった3人だけだった。



甲状腺疾患(甲状腺炎)および甲状腺にしこり (1000人の子どもを調査)

          1997    1998   1999   2000   2001
甲状腺炎    0.48      0.5     3.4    6.76    29.4
甲状腺しこり 0.96      1.8     3.4     4.0    25.9


これらの驚愕的な数字は首都ミンスク市で得られたものである。この事実を報道するベラルーシの新聞、ラジオ、テレビはない。ベラルーシ政府は、チェルノブイリ事故の影響は克服したとしている。4月にミンスク市でこの問題の管轄機関を訪れた「チェルノブイリの子どもたち」に対し、当局はそれを何度も強調した。最新の調査状況に関する情報は公表を差し止められている。

もう一度強調するが、ミンスク市は汚染されていないと見なされている地域である。モギリョフ州やゴメリ州などの放射性降下物に重度に汚染された地域で比較調査をすれば、どれほどの結果が出るであろうか。


エーファ•バルケ(翻訳 Eisberg) 2008年4月20日(日)

2014年8月17日日曜日

【岡山】夏休み学習会in岡山2014「放射能測定に関するワークショップ」における三田医師の発言(書き起こし)~2014/08/16IWJ中継動画より~

パネルディスカッション(三田医師以外のパネリストの発言はすべて省略しました)

あいさつ

 三田医院というところを開業しています三田です。今年の3月まで東京で三田医院を継いでやっ

ていたんですけれども、非常に危ないことになっていると、で、わが身も危ないし、自分の家族も心

配だし、何よりもうちに来る患者さんが心配だったけれども、いくら言ってもみんな動いてくれない、

っていうことで、率先してね、見本を示している積りで、僕は逃げてきました。で、さらにその、向こう

で検査した人、それから、いまだに東京から通ってきてくれている人が多いんですが、そいう人たち

がね、あの、もうひといきちょっと決断できない。移住にしても、保養すらそうですね。え、そいう人た

ちの勇気を出すお助けにでもなればと思って、でまあ、こっちで開業した訳です。僕は全然測定の

ことはあの全く知りません。知りませんけどと言ったら、それでもいいから来いと言われたんで、来

ましたんで、ちょっと的外れのことを言うかも知れないです。よろしくお願いします。


テーマ1「測定所が抱える課題について」発言

 測定のこととか運営のことについては良く分からない上に、ちょっと来るのが遅くてすいませんで

した。僕がこっちに来て、生活し始めて、3月の終わりに来ましたから、4、5、6、7、8で5カ月って

いうところなんですね。で、あの東京にいた時に比べれば、こっちで買い物する時に、買って、あの

いろんなものを売ってしまっているところもあるけれども、こっちの方が選ぼうと思えばちゃんと選べ

る、っていうのがね、東京とは全然違うなと思ったんですけれど、最近感じていることはね、スーパ

ーマーケットなんかでもね、あの、こういう系列があるじゃないですか、で、こんど岡山の駅前に大き

なイオンが来るってみんな大喜びなんだけど。そういう、その全国展開っていうのはあんまりして欲

しくないって思っちゃうんです。だけど、そりゃ商売もあるだろうけども。

 で、あとこの、僕は駅前のマンションを借りて住んでるんですけれども、周りに飲み屋があるんだ

けれど、岡山の物だけを使っているところっていうのが、この緑の提灯をね、星いくつなんてだして

いるですよ。で、つい最近あの、乳製品ね、牛乳だけじゃなくて乳製品、純粋に岡山の、純粋に岡

山だけの牛乳を使ったようなものっていうのを、ブランドとして表示していこうっていうことが始まるら

しい。ですから、さっきその加工品だったらね、心配だって、確かにその、お刺身だって3種類混ざ

っちゃうとどこでとれたかわかんないでしょ。だけど、僕たちは、逃げてきて、やなものは食べたくな

いなっていう気持ちが強いから、だから国の基準でこうなっているっていうんじゃなくて、そいうこと

が判るようにね、買い物をしたいっていことを、こっちのお店の人たちに分かってもらえるといい、そ

の時にこういう測定の値やなんかをね、ベースに瀬戸内のものはこういうふうに安全なんだとかっ

ていう、ほんとにベースにものが言えていけるといいなって思うんですよね。日々の買い物に付き合

っているものとして、そういふうに思ううんです。


テーマ2「データの評価について」発言

 医者として、この3年くらいいろんな人の話を聞いて、診察してきたわけでして、こっちに来るまで

は、主に首都圏ですので、東京の人の話はたくさん聞きましたけれど、福島の話は知らない。西日

本はどうなのかも実はよく知りませんけれど、まとめて僕の印象を言うと、どれくらいの放射能で安

全かどうかというと、個人差が大きすぎて、これは症状の出方にですね、個人差が大きすぎて、よく

わからないって僕は思います。
 
 ホットスポットに住んでても、ケロッとしていて、何ともないという人もいれば、そこからちょっと離れ

て線量は低いんだけれども、具合が悪くて・・が悪いっていう人もいるし、だからその、ホットスポット

で良いと言ってないですよ、個人差がまず非常に大きいから、いくつなら安心だっていうことはな

い。 僕はもうこんな歳ですし、子ども達ももう二人とも大学生だから、僕自身はもう子どもも作らな

いだろうから、たまには美味しいもの食べたいなと思うかもしれないけれども、子どもにはそんなも

の食べさせたくない。それから、今の子ども達ね、それからこれから子どもを作る人達、子ども達も

大きくなったら子どもを作るから、もう目指すはゼロベクレルなんだとうと思います。

 これから先は、この地域でもお母さん達と話をしていると、給食の牛乳はどうなんだろうとか、お

米がなんか混ざっているみたいだとか、ゴボウが牛窓でいいのが獲れるはずなのに、茨城のを使

うとか、そういう問題っていうのがひとつ大事なのかな。あとはさっきも言ったことだけども、小売店

の人達もね、こんなにたくさんの人達が東から西に逃げてきていて、その人達の要求って言うのは

こういうとこにあるんだっていうことを、多分ぜんぜん聞いてもいないと思うから、そういうそのニー

ズがあるって事ね。国がやっていることでは、みんな安心できないんで、むしろそういう小売店の人

と市民測定所の人とのタイアップみたいなもので、えーここでやった検査でこういうのが出ています

って、そういうコーナーがあったりすると良いんだろうなと思いながら、いつも買い物にはつきあって

います。

 それから、あとどうしてもチェルノブイリの時にはこうでしたとかいう、こういうね、食べ物があって

1ベクレルでどうこうとかいうのを読んだことがありますけれども、東京でやっていた経験から言う

と、食べ物に気をつけているだけでは、とてもじゃないけど追っつかないというか、でその、データが

悪い人達の分布を見ると、ゴミ焼却とか下水の処理場とかっていう、まあ焼却しているんでしょうけ

れども、そういうのとの関係がすごく密接だと思います。ですから、チェルノブイリと違うことって山ほ

ど有りますよね、爆発の仕方も違えば、出た核種も違えば、土壌も向こうは砂地たっていうし、こっ

ちは粘土質だっていうし、海に近い所にあるのと陸地の中にあるのと、雨がよく降るとかね、何から

何まで違うと思うんですよ。ですけど、多分起きることはといえば似たようなことがあきるんですね、

おそらくね。

 で、あとはその、チェルノブイリのまわりでは絶対やってはいけないっていう、ものを焼くっていう事

を日本ではしているから、ここがね、食べ物がずいぶん日本はきれいなんだけども、チェルノブイリ

より僕は東京が悪くなるんじゃないかなという、こういう予感です。実際にあの、この夏休みに、福

島から、岡山県のプロジェクトで岡山に来ている福島の家族っていうのやってみると、東京から来て

いる人よりもデータ良いです。僕はね東京は一番被害が大きくなるんじゃないかって、ま、こんなと

ころで言って外れたらはずかしいんだけれど、そういう危惧があります。当初からあるし、この夏休

み、ますます東京は悪くなっているって、こういう風に思うんです。だから食べ物のことは最低限、給

食のこと、若い人達、これから将来子どもを産む可能性のある人達は、ともかくゼロベクレル目指

して、頑張ってもらいたいとよろしくお願いしたんですけれども、食べ物を気をつけている患者さんた

ちしかうちには来ませんけど、空気の悪いところの子達はとっても悪いんです。ここが、あの、空気

のね、フィルタリングって言うのは、とても難しいんだろうし、とてもフィルタリングでとれるようなもの

じゃないかもしれないだけれども、そういうことも含めて今後も考えていって欲しいなと思うんですけ

れどね。


質問 悪いというのは何が悪いということか?

 えーとね。あの、放射能の影響を見るのに、これ医学って言うか、医療上何をみるかっていうと、

やっぱり、白血球、赤血球、血小板ていうのを見ながら、例えば、あの、癌の放射線照射なんかの

影響を見るときはね、それで見るわけですよ。プログラムを作ったけれども、さっき言ったように、

個人差が非常にありますから、メニューがちゃんと消化できる人もいれば、途中でダウンしてしまう

人もいるわけ。ダウンしちゃいそうな人に、そのままかけて殺しちゃったんでは何もならないから、

だから、毎日毎日血液検査をしながら、このへんだったら大丈夫だっていう、それを僕らは何十年

もそうやってきたわけですし、あと、電離検診も白血球系の血液の分画っていうのがいちばんコア

なんですよ。もうそれしか無いて言っていいぐらいの、検診受けながら原子炉の人は貼ってやって

る。僕たちもレントゲン室をもってますから、フィルムバッヂをつけて、そういうの受けなさいって言

われて、病院のひともみんなやっているわけですから、それが一番客観的だと思うのだけれども。

 食べ物気をつけていても、住んでいるところで悪い人は悪い。東京でも水が心配だと言って、外

国のとか西の方のペットボトルを買ってきて、お野菜もそれで洗って食べているって、野菜も九州の

方から取り寄せて、洗うのもペットボトル、歯を磨くときもペットボトル、お風呂はペットボトルで入れ

ないから悩んでいるっていう、そういう人達が来ても、悪い人はとっても悪いんです。だから、日本

の場合は食べ物よりもむしろ居住地、そこの空気を吸うってことが悪いのかなって僕は思っていま

す。


質問 放射性物質の発がん性について

 発がん性に着目するっていうのはね、癌になりましたなりませんでしたというところが、区別がつ

けやすいから、そういうところで論じたいという人達がたくさんいるんだとおもうんですよね。これは

ね。で、WHOがどうのこうのって言うんだけれど、WHOで明らかに認めているっていったら、甲状腺

がんと白血病くらいしかないわけでしょ。それと、リンパ腫かな。そうい区別の仕方をするとそういう

ことになっちゃうんでしょうけど、さっき話しあったように、次に生まれた世代のほとんどが体育の授

業受けられないとか、一コマね、1時間の授業を、40分も我慢できないで、30分で打ち切らざるを

得ないとか、これをどういうふうに考えるかっていう方が影響として大きいんじゃないかと思うんです

よ。

 だから、その、癌ていうのが怖い病気だってみんな思っているし、この数十年で癌ていう病気がど

んどん増えてきて、これが、この時代の原発とか核実験とかそういうことに関係してるって僕も思う

んです。どうもうそれしか考えようがない。乳がんだとか前立腺癌だとかいって、甲状腺がんだっ

て、国立がん研究センターのデータ見ると、十年以前でどんどん上がっていますから、これはとても

スクリーニング効果とかではない、実際に上がっているんですよね。そうい部分もあるだろうけれど

も、ただ社会的にね、問題になるのは、えー、社会全体の機能が落ちるとか、人口がどんどん減っ

ていくとか、そういうことかな。

 あと、不幸にして癌になっちゃった人が治療受けたけれども、以前のように治療受け手も直らな

い。5年生きられた人が半年しか生きられなくなるとか、これはチェルノブイリで言われてますよね。

そういうことを重視していかないと、どれだけだったらその癌になるていう有意差がないから安全て

いう、そういう話じゃ、ちょっと、うー、瞞されているっていうと変だけれども、変な方向に持ってかれ

てしまうんじゃないかと思いますね。


質問 東京の空気が福島と比べても悪いという認識を具体的に
    保養で防げるのか移住が必要か、年齢による影響の違いは

 東京とひとことに言ってもですね、あるいは首都圏とひとことで言っても、茨城の方から入ってきた

放射性物質が東葛地域ていうところに落ちたと、まこう言われているわけですよね、東葛の放射線

量、土壌の汚染であり、空間線量ですけれど、これは場合によっては福島のある地域よりずっと高

いですよね。福島のきれいなところより東京で汚いところはある。

 で、僕が住んでいたところは、あの、小平市っていうところです。東京都の地図でいえばちょうど真

ん中ぐらい。武蔵野台地っていう、すこしは高くて、平べったいところ、でここは、プルームが素通り

してほとんど汚染されなかったっていう、たぶん汚染されているんですけれど、比較的きれいだって

いわれているところで、実際にホットスポットと千葉あたりの子ども達を2011年、2012年の頭くら

いまで調べた時には、非常に差があった訳です。いやただ、ホットスポットというところはまずいとこ

ろだなという僕の認識でしたけれども、えー早川先生のマップというのは有名ですよね。あのプルー

ムのが流れてきてこういふうにしてホットスポットができましたっていうマップだけど、そこと違う場所

に子ども達の異常が見られたと僕は判断した訳ですね。

 で、それはどういうところにあるかっていう風に、来た患者さんに聞いてみたり、地図上にプロット

してみたりすると、その地域のゴミ焼却とか、下水汚泥の焼却とか、それに引き続くセメント工場と

か、そういうところの回りに、データ的に悪いわけです、あるいは患者さんの訴えが強い。で、これ

はやっぱり、ガレキの焼却と言うよりは、地域ゴミの焼却によるよるもんなんだろうなっていう風に

思いました。

 で、実際にさっき言ったように、2012年の前半くらいまでは、ホットスポットというところに異常値

というのかな、変化がすごく強かったものが、だんだんだんだん、ホットスポットじゃなかったところ

に、おんなじような変化が出はじめているということで、これはともかく最初に落ちたところが危な

いとかそう言うことじゃないと思います。それから食べ物はうちに来て、わざわざ予約を入れて、子

どもさんが泣くのに血液まで採ってくれなんていう人は、すごく気をつけていますから、食べ物に関

することっていうのは、みんな同じように気をつけているのに、(東京の)西の方のきれいなところが

ダメになってきたということで、僕はやはり吸っている空気なんだろうなと思います。理屈はね僕は

実はよくわかんないけれども、現象から考えるとそんなふうに考えるしかないんじゃないかと思うん

ですね。

 それから、その、えーと、どれくらいでっていうことなんでしょうけれども、やっぱり、えーと、個人差

大きいですね。年齢差がどうかというと、僕はあの前から言っている血液のケースでいうと一番異

常値っていうか変動幅が大きいのは赤ちゃんだと思います。3歳くらいまでの赤ちゃん。これは0歳

でも1歳でも、いま0歳でも1歳でもそうですから、2011年のプルームは受けてないですよね。お母

さんが受けた影響を、おなかの中で受けましたかっていわれますけど、僕はわからないです。それ

は。

 で、もうひとつ、で、血液検査はそういうことですね。それから、いろんな病気がありますよね。たと

えば喘息とか、リューマチみたいなものとか、あとは副鼻腔炎とかね、そういうものに関しては、小さ

い子よりはもうちょっと大きい人達、とくにお年寄りなんかの悪くなり方が酷いと思います。それか

ら、特殊な病態、ま、内科的に記載がないものではないから、奇病ではないです。もともと知られて

いるけれども頻度としてとっても少ない病気がとっても増えている。で、教科書的に治療すればうま

くいくはずだったものが、うまく行きにくい。で、良くなったと思ってちょっと手をゆるめるとまたすぐ悪

くなるっていう、結局病気になりやすくて治りにくい、再発しやすいという状態が、これは高齢の人の

方が強いように僕は思います。ですからあの、どっちが弱いの強いのっていうんじゃ無くて、出方に

よる差があるっていうことかなって思うんですね。

 それからあとチェルノブイリの先例っていうのかな、ことがあるから、それを考えると、やっぱり今

の子ども達が大きくなって、次の世代がどうかっていうのがとっても心配ですよね。これは、いまな

んとかうまくやっているように見えなくもないけれども、次の世代ががたがた崩れたときには、社会

が成り立たないと思う。これはもう西と東の差別っていうのかしら、格差っていうのは出ちゃうんじゃ

ないかっていうのが、僕の一番の評価ですね、これは。

 それから、空気がっていうのは、さっき言ったように、ご飯や何かずっと気をつけていると、それで

もだんだんだんだんホットスポットじゃないところの子達のデータが悪くなってきていて、ただそうい

う子達が西の方に避難したり、移住したりすると、早い子で2、3週間するとかなり数字は良くなる。

それから今回夏休みにうちに来てくれているお母さんと子どものケースが多いけれども、やっぱり

あのずっとむこうで、息が苦しかったけれども岡山の駅に降りたら、二人で顔を見合わせて楽に息

ができるねっていったなんていう話を聞いたりすると、やはり空気なのかなっていうふうに思うんで

すね。


質問 車のフィルターの汚染について

 僕の経験じゃないけれども、おしどりまこさんが、東北行ってるでしょ。で、地域によって違うんだ

けど、一台の車が、ま、汚染のところから来た車の近くで線量計が動くから見て見ると、一番汚染

が高くなるのがワイパーだって言ってました。だから、ゴムみたいなああいうものに、付着して結合

しちゃうんじゃないかな。

2014年6月26日木曜日

東日本の吸入被曝量

 東日本の市民68名が装着したマスクに付着した放射線量を、2012年2月19日~4月14日の8週間を計測した結果。1年間に被曝する量は最大およそ3.2μSv。これは、Cs137の吸入量に換算すると1年間82Bqである。殆どは砂埃。
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京大、セシウム花粉による被曝量は無視できるほど小さいとの研究結果

財経新聞2014年6月26日

 京都大学の桧垣正吾助教は、2012年に飛散した放射性セシウムの量を測定し、その量は砂埃に比べて無視できるほど小さいことを明らかにした。
 福島第一原発の事故以来、放射性セシウムがスギ花粉に吸着して飛散するのではないかと心配されていた。
 今回の研究では、東日本在住の一般市民68名を対象に2012年2月19日~4月14日の8週間に渡ってマスクを装着してもらい、そのマスクに付着した放射線量を計測した。その結果、検出された放射性セシウムが最大であった被験者が1年間に被曝する量を見積もったところ、およそ3.2μSvであった。これは年間の公衆被曝限度1mSvの310分の1である。
 また、被曝の元になった飛散物を詳しく調べたところ、そのほとんどはスギ花粉ではなく砂埃であることも明らかとなっため、砂埃の吸入を防ぐことでさらに内部被曝量は低減することができると考えられる。

この内容は「Health Physics」に掲載される予定である。


1Bqを経口又は吸入摂取した場合の成人の実効線量係数(mSv/Bq)

核種     経口摂取     吸入摂取
I-131 *1   1.6×10-5    1.5×10-5
Cs-137    1.3×10-5    3.9×10-5





2014年5月5日月曜日

4歳の時キエフで被曝したシネオカヤ・インナさんが、講演会で述べた日本の被曝被害者へのメッセージ(一部)

チェルノブイリ28周年企画「チェルノブイリ・福島 いのちは宝」4/26(三重県津市)での講演会から文字興し。

 汚染地された地区に住む皆さんには、たとえ一年に一度、ある一定の期間でも、汚染のないところで過ごすことは大切です。特に、子どもを保養に連れて行くことは、とても重要です。それぞれ皆さんには事情があることは承知しておりますが、それでも将来病気などに罹る可能性を少しでも減らすために、今子ども達を汚染の無いところにできるだけ連れて行くようにして欲しいと思います。

 皆さんの家族の何方かなどが何か病気に罹ってしまったとき、それは放射能と関係ありませんと言われるでしょう。でも必ず、かつて被曝をしたという悲しい記憶が蘇ります。そのときに、あの時あれをしておけば、こんなことにはならなかったかもしれないという思いに駆られるのです。ですから、自分は最善を尽くしたと思われるように、今できることは全力でやっておかなければなりません。原子力の事故は一生どこまでも容赦なくついて回るのです。

 放射能は土壌にしみこみ、植物に移ってゆきます。放射能に汚染された土地には、30年にもわたり何も植えてはならないのです。ですからどうか、できるだけ早く遠くに離れて下さい。もし家族全員が離れることが無理であれば、子ども達だけでも、せめて年に一度、数週間でも環境のきれいなところで過ごさせてあげて下さい。

 日本でも既に甲状腺の病気の子どもがいることを私は知っています。病気になってしまったお子さんを持つ両親の皆さんも、どうか絶望しないで下さい。闘って下さい。放射能の影響については、医者にとってもわからないことだらけなんです。言われるがままにならず、自分自身で行動し、調べて、最も適した治療法を見つけ出して下さい。

 子ども達に言いたいことは、どんな困難な中でも祈り、強い意志をもって欲しいということです。何かをしたい、または何かになりたいという、そういう強い意志をどうか持って下さい。夢を持って下さい。信念と強い意志があれば、それは必ず病気を治してくれると私は信じています。たとえ癌であっても、それに打ち勝ち、幸せな人生を過ごせるのです。

 私は原子力発電所を使ってはならないと考えます。チェルノブイリのような爆発がもう一度起きたら、どうなってしまうのでしょうか。残念ながら原子力の事故が起きたら、元に戻すことは不可能です。その被害は地球規模のものとなり、地域は破壊され、何万という人々が故郷を追われ、健康や命でさえ奪われるのです。

 私達のおじさんおばあさん達は、放射能や化学物質に汚染されていないきれいな土地を、遺伝子組み換えなどでない作物を、私達に残してくれました。近代科学の発展は、少数の独占的な資本家の富の為にのみ貢献しています。彼らはたった一世紀の間に人が住む地球を危険なものにしてしまったのです。私達はどんな土地を孫達に残すのでしょうか。

 日本の人々が最も安全なエネルギー源を探しだし、美しい自然と人々の健康を守っていくことを、私は信じています。私達は皆協力して、次の世代のために、この地球を残すために、できる全てのことをしていかなければなりません。



インナさんの妹、ヴィーカさんが、会場で読み上げた
母親からのメッセージ。
(チェルノブイリ子ども基金スタッフが綴る事務局さんより)

「原子力、それは人間にとって毒であり、
それに対する解毒剤は、残念ながらみつかっていません。
放射能は周りの環境から、
汚染された食べ物などから体に入り込み、
蓄積されていきます。
たくさん放射能をためてしまった人は、
病気になり、早く命を落とします。

人々に安全の補償がないまま、
どうして原子力発電所をつくることができるのでしょうか。
癌の治療も、放射能による病気の治療も
まだ見つかっていないというのに。
現代医学のすすめる「治療」というのは、
必ずしも人々が望むような結果はもたらさず、
それでいて、高額な治療費がかかります。

たとえ平和目的であっても、
原子力を使ってはならないと、私は確信しています。

ウクライナはたくさんの原発を造り、
ヨーロッパにきれいな電気を売っています。
一方で、私たちには放射能、病気、
放射能のゴミによって汚染された土地が残っています。
原発で働く人々は、
病気になったり、命を落とすかもしれないという危険の中で働いていて、
一方で、他の人々はこれによって安易に電力を得ている。
こんなことがあってよいのでしょうか。

放射能汚染の影響によって失われる命、人間の生活の価値について、
誰も考えていなかったのです。
あるいは、多くの人々が、病気になって、
治療のために高額な費用を支払わなければならなくなるとは、
誰も言いませんでした。

そして、生まれたばかりの赤ん坊にまで、
すでに深刻な原子力の負担を背負わせ、
死ぬまでその不安を持ち続けなければならない、
このような子どもの命の大切さについて、
誰も考えなかったのです。

この世界で一番大切なのは、人間であるということ、
特に子どもたちであるということを、
人々に理解してほしいと強く願います。

未来の世代にどのような地球を残すのか、
私たちの祖先が残してくれたようなきれいな地球を残すのか、
あるいは、何百年も何も植えることもできない、
有害で汚染された地球を残すのか、
私たちは考える必要があります。

みなさん、どうか自分たちを守ってください。
自分たちの豊かで美しい大地を守ってください。
みなさんは知恵のある人々です。
科学のあらゆる分野で、
未来への新しい道を大きく切り拓くことが出来るはずだと思います。

みなさんが原子力の問題について
正しい選択をしてくれると信じています。
どうか自分たちを、そして将来の世代を守ってください。
どうかお願いします。」

(インナの母 リディヤさんからのメッセージ)