2014年3月31日月曜日

木下黄太氏ウクライナ報告 in 東京 聴講メモ

木下黄太氏ウクライナ報告 in 東京(2013.11.25)を聴講しながらメモしたものです。実際の講演は、編集途中のウクライナで撮影したビデオ画像を紹介しながらのもので、言葉だけでは説明できない内容があります。

ウクライナに行ったのは、 東京とキエフの土壌汚染が同等であるため⇒事故数年後、キエフは Cs137で460Bq/kg、134+137の推定700Bq/kg。東京の40か所位の平均で800Bq/kg(23区)。都の実測値は790Bq/kg(新宿)

国の水準が日本とかなり違い、低い。食糧が豊かだが、国力は 90年当初のハンガリー程度。日本の医療水準などをそのままあてはめても何もわからない。ウクライナで、1年2年しても何も起こらなかったといういうが、判らなかっただけだろう。

ウクライナでは人口が5000万人位から500万人減少(移住200万を除く)。女性の人口学者「こんなに減少するのはあり得ないこと。どう対応したらよいか分からない」。被曝人口 、日本では2000万~3000万、ウクライナは多くてもその1/5でこの状態。

『みどりの力』(廃炉を勧めた市民グループ)のリーダ。 実際に廃炉作業をしていて、作業員をどうしていくかは、大変なことだ。 放射能に強い人と、弱い人が居て、弱い人は除外する。弱い人と強い人は、7:3の割合。 遺伝子で判別できる。

キエフの普通の家庭を訪問。主人、肺に炎症、心臓も悪い。20年後くらいから体調が悪化。50代に見えるが、年下の42,3だった 。老化が進んでいる。婦人は38,9歳、40後半に見える。事故後5,6年から体調不良。それをどう誤魔化していくのかという暮らし。

訪問した家庭は、ぎりぎりの生活レベルに見えるが、何とか汚染の少ない地方の食べ物を選んで生活。キエフの水源はチェルノブイリに近い方にあり、飲料水は危険という認識を持つ。(キエフは自給自足の農村とは異り、食材産地に拘る人が普通にいる。マスクはつけない)

夫妻の娘さんも心臓に異常で、運動ができない。半分くらいの子どもが運動出来ない。体調が悪く、早く死ぬ人は早く死ぬということが起こっているのだろう。 突然死ぬという人もいるが、体調不良が当たり前という状態になっている。

夫妻、中学生の頃、事故3週間後に政府の指示で、試験がある上級生以外、南方の汚染がないエリアへ逃げた。 戻って来たのは新学期の始まる前、夏の終わり。非常に国力が乏しいこの国で、セシウムが東京と異ならないキエフの子ども達を3週間後に逃がしていた。東京は?

『チェルブイリの長い影』著者オリハ・V・ホリシナ氏は軍の医学研究所副所長で国の立場だが、国より被曝の概念を多く持つ女性の目でまとめている。闘う人バンダジェフスキーと異なり、体制側にいてバランスを図っている。そいう人と話し ても、この情況はやはり駄目だ。

ウクライナでは、道路沿いに疾病が多く見られ、道路ごとに白血病、癌といった異なる特徴が見られる。

キエフ市内は除染を徹底的に実施した。木を植え換え、土壌をとれない所は上に土を入れた。夏に徹底して除染 した。・・・東京は、何も実施していない。

「ウクライナを支援した日本医師が自国でなぜウソを言う?もう何年すれば、実際に健康被害が出て明らかになるだろう。」実際に体調不良が出ているから、健康被害があるのは常識。キエフで健康被害が起こっていることは事実。

お金があったらもっと逃げた人が多かっただろうという印象。生活基盤が築けない。日本だったら、西日本に行けば食っていける。ウクライナではそれができない。キエフでは、3週間後に避難して、もどって、また被曝した。東京は避難できるのに、大丈夫だと、何もしない。

東葛と同レベルのイワンコフの病院、種々の疾病が次々と起きてる。年に何回も入院。被曝が原因としか考えられないと言う。キエフの病院では、疾病患者、子どもの突然死が増えている。ここ何年か目の疾病も増えている。遺伝的な要因、慢性的な被曝という認識がある。

甲状腺検査についてホリシナ博士は、異常がある子は週に一回でもよい。半年に一回~何もなくても年に一回は当たり前。医療レベルは低いが、種々考えながらの治療現場は女医が活躍。日本もそういう経験を踏まえないと困るだろう。日本の医者は新しい事態に対応できない。



2014年3月25日火曜日

被曝線量をねつ造して帰還促進する内閣府原子力被災者生活支援チーム

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援チームが当初予定していた結果の公表を見送り、屋外にいる時間を変えるなどデータをねつ造。

【引用】
福島原発事故:被ばく線量を公表せず 想定外の高い数値で
毎日新聞 2014年03月25日

◇内閣府のチーム、福島の3カ所

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援チームが当初予定していた結果の公表を見送っていたことが24日、分かった。関係者によると、当初の想定より高い数値が出たため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まったという。調査結果は、住民が通常屋外にいる時間を短く見積もることなどで線量を低く推計し直され、近く福島県の関係自治体に示す見込み。調査結果を隠したうえ、操作した疑いがあり、住民帰還を強引に促す手法が批判を集めそうだ。

 毎日新聞は支援チームが昨年11月に作成した公表用資料(現在も未公表)などを入手した。これらによると、新型の個人線量計による測定調査は、支援チームの要請を受けた日本原子力研究開発機構(原子力機構)と放射線医学総合研究所(放医研)が昨年9月、田村市都路(みやこじ)地区▽川内村▽飯舘村の3カ所(いずれも福島県内)で実施した。

 それぞれ数日間にわたって、学校や民家など建物の内外のほか、農地や山林などでアクリル板の箱に個人線量計を設置するなどして線量を測定。データは昨年10月半ば、支援チームに提出された。一般的に被ばく線量は航空機モニタリングで測定する空間線量からの推計値が使われており、支援チームはこれと比較するため、生活パターンを屋外8時間・屋内16時間とするなどの条件を合わせ、農業や林業など職業別に年間被ばく線量を推計した。

 関係者によると、支援チームは当初、福島県内の自治体が住民に配布した従来型の個人線量計の数値が、航空機モニタリングに比べて大幅に低かったことに着目。

 関係省庁の担当者のほか、有識者や福島の地元関係者らが参加する原子力規制委員会の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」が昨年9〜11月に開いた会合で調査結果を公表し、被ばく線量の低さを強調する方針だった。

 しかし、特に大半が1ミリシーベルト台になると想定していた川内村の推計値が2.6〜6.6ミリシーベルトと高かったため、関係者間で「インパクトが大きい」「自治体への十分な説明が必要」などの意見が交わされ、検討チームでの公表を見送ったという。

2014年3月17日月曜日

子どもや妊婦の被爆対策を訴え ヘレン・カルディコット医師広島で福島原発事故講演

子どもや妊婦の被爆対策を訴え ヘレン・カルディコット医師広島で福島原発事故講演 3月16日 中國新聞



 東京電力福島第一原発事故による放射線の影響をテーマにした講演会が15日、広島中区のアステールプラザであった。放射線被曝に詳しいオーストラリア出身の小児科医ヘレン・カルディコット博士(75)が講師となり、低線量被曝による子どもの健康被害に警鐘を鳴らした。
 カルディコットさんは欧州連合(EU)の内閣府が2月に発表した放射性物質の濃度を示す世界地図を紹介し、福島を中心に汚染が広がっていると指摘。「子どもや胎児は低線量でも被曝すると、大人より影響を受けやすい」などと強調し、子どもや妊婦への対応の必要性を訴えた。
 福島の事故発生から3年を迎えたのに合わせ、被爆地で核問題の議論を深めようと、平和活動や環境保全に取り組む米国の財団が主催。市民ら約200人が参加した。廿日市市の無職中谷悦子さん(66)は「知らない情報が多く驚いた。政府は国民の立場で対策を考えてほしい」と話していた。

2014年3月5日水曜日

福島第一原発建屋周辺の地下水は約100メートルほど離れた海水の潮位変動を受けるため、建屋内の汚染水が地下水に混じる可能性があり得る

焦点:汚染水問題で危機深まる福島第1原発、海洋放出にも高い壁」

REUTER:2013年 08月 22日 16:15 JST

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[東京/いわき市(福島県) 22日 ロイター] - 深刻化する福島第1原子力発電所の放射能汚染水問題をめぐり、東京電力(9501.T: 株価ニュースレポート)への新たな不信が広がっている。
海に放射性物質を漏らした東電に対して漁業者の反発は強く、事態打開の鍵を握る非汚染地下水や低濃度水の海洋放出も難航が予想される。汚染水処理は同原発の廃炉作業にとって最大の障害となっているが、抜本策の展望が開けないまま、一段と危機の度合いを深めつつある。
<海に漏れた汚染水、漁業者の不信招く>
廃炉作業が進む福島第1原発では、地下水流入により1日約400トンのペースで汚染水が増加し、ほぼ同量を地上のタンクに収容し続けてきた。4月には地下貯水槽からの汚染水漏れもあり、6月までにこの分も全て地上タンクに移送した。
その結果、保管している汚染水は約33万トンにまで蓄積。総容量が約39万トン(8月中旬時点)にとどまっているタンクの増強は避けられず、東電は2015年中頃には70万トン、2016年度中には80万トンに増やす計画だ。
タンクでの保管とともに、東電は地下水を原子炉建屋に入る前にくみ上げ、「バイパス」を通じて海に放出することで、汚染水の発生量そのものを低減させる計画も打ち出した。この作戦で海に流すのは汚染前の水。地元の漁業者の理解が得られれば、汚染水問題の解決へ大きく前進するはずだった。
しかし、その道を自ら閉ざしたのは東電側、という声がいま地元の漁業者に広がりつつある。「地下水バイパスは、県漁連執行部としては協力すべきだと考えている。何とか漁業者の理解を得ようと努力してきた」と福島県漁業協同組合連合会(県漁連)の野崎哲会長は話す。「漁業者の間で汚染水と(汚染前の)地下水の区別がつき始めていた。ただ、東電は汚染水を海に漏らさないとずっと言っていたのに、漏れてしまった。これは危機的でしょうというのが漁業者の受け止めだ」。
汚染水の海への漏えいを否定し続けた挙げ句に、東電は参院選の投開票日翌日(7月22日)にようやくその実態を認めた。地元の協力姿勢に水を差す、東電の不透明な対応。漁業者の反発を受け、汚染前の水を海に流す作戦は実施できていない。
一方、汚染前の水だけでなく、汚染濃度を許容レベルまで低めた水を海洋に放出するという方法も、同様に立ち往生する可能性がある。汚染水を貯蔵するタンクは無尽蔵には作れない。汚染水から除去可能な放射性物質を取り除く同作戦について、原子力規制委員会の田中俊一委員長が記者会見で必要性に言及し、茂木敏充経産相も低濃度汚染水を放出する方針を示唆するなど、政府関係者による実施への地ならしは始まってる。
しかし、漁業者にとって、低濃度水の放出はどこまで認められるのか。福島県漁連の野崎会長は、「汚染された水の意図的な海洋流出は止めてほしい」との立場だ。放出する水は放射能濃度が十分に低いものが対象になるとして、政府は今後、漁業者に理解を求めるとみられるが、野崎氏は「国際機関の評価をもらわないと駄目だろう」と厳しい条件を付ける。
海洋への放出がままならない中、福島第1原発の汚染水処理は、地上タンクでの保管に頼らざるを得ないのが現状だ。しかし、今月20日には、頼みのタンクから約300トンの汚染水が漏れていたと東電は発表。漏れた汚染水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり8000万ベクレルと極めて高い濃度が検出された。
タンク漏れを発表した当初、東電は汚染水が海に流れた可能性について否定的だったが、21日には「汚染水が海に流れた可能性は否定できない」との見解を示した。漏れた汚染水は排水溝を通じて外洋に流れた可能性があるという。
問題となったタンクは、鉄の胴体部の接合部を樹脂製のパッキンで挟んでボルトで締めて組み立てる構造。接合部を溶接するタイプの方が保管性能が高いが、組み立て型は「早期に建設できる」(原子力・立地本の尾野昌之・本部長代理)というメリットがあるため、最近まで増設の大半を占めてきた。
この組み立て型について、メーカーが保証するパッキンの耐用年数は5年。タンクの運用開始から既に2年近くになるが、3年後にはパッキンなどタンク部品の交換や修理が大きな課題となる可能性がある。東電は今後増やすタンクは溶接型を主体とする方針だが、約1060基あるタンクのうち組み立て型タンクは約350基あり、早期の抜本的な入れ替えは困難だ。
<議論わかれる発生ルート、つかめぬ実態>
福島原発の汚染水処理に効果的な抜本策が取れない背景には、高い放射線量が障害となり原子炉建屋内に人が入れず、そこに溜まっている汚染水の状況やその発生メカニズムもいまだに正確に把握できていない、という事情もある。 
汚染水が発生するメカニズムについて、政府の説明はこうだ。福島第1原発1─4号機には1日約1000トンの地下水が流入し、このうち約400トンが原子炉建屋などに流入して、残りの約600トンの一部(推定300トン)が配管や電線を通す地下のトレンチ内の汚染源に触れ、海に放出されている。ただし、建屋の中に入り込んで汚染された地下水は、建屋周辺の地下水よりも水位が低いので外に漏れ出すことはない、という。
これに対し、産業技術総合研究所・地圏資源環境研究部門の丸井敦尚・総括研究主幹は、「政府や東電の説明は完全ではない」と指摘する。建屋周辺の地下水は約100メートルほど離れた海水の潮位変動を受けるため、建屋内の汚染水が地下水に混じる可能性があり得るためだ。
5月下旬以降、福島第1の海岸近くのエリアで高濃度の放射性物質の検出が目立ってきたが、丸井氏は「海岸べりが汚染されるルートは4つほどあると思っている」と話す。4ルートには東電などが説明するようにトレンチからの漏水を含む。その上で、同氏は最悪のシナリオとして、「あっては困るのが、メルトスルーが起きて、燃料が(建屋の)外側に落ちて直接地下水を汚染するパターンだ」と指摘する。
そのメルトスルーが起きている可能性がどの程度高いかについては、「観測データがないから技術者、科学者の立場では何とも言えない。ただ、可能性は十分あるので調べないといけない」と強調する。同氏は、「敷地の中の地下水の全体像を把握するためにも、観測井戸をもっと増やさないといけない」と述べている。
汚染水処理に絡む東電の対応について、経産省内に設置された「汚染水処理対策委員会」のメンバーである国土交通省・国土技術政策総合研究所の藤田光一・研究総務官は、「個人的な感想だが、危機的な状況の繰り返しだから、どうしても目の前に起きた事象への対処が中心になる」と指摘。「最前線での取り組みと並行して、余裕をもって全体を見る姿勢をもっと強めていかないといけない」と、東電に注文を付けている。
(浜田 健太郎 編集;北松 克朗)

2014年3月3日月曜日

「セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度」という記事で、編集長を懲戒解雇

朝日新聞社は8日、「重大な就業規則違反」があったとして、同社子会社の朝日新聞出版が発行する週刊朝日の小境郁也編集長を解任、同日付で懲戒解雇処分にしたと発表。

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セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度


関東15市町で実施されている最新検査で、子どもたちの尿の7割からセシウムが検出されていたことがわかった。ジャーナリストの桐島瞬氏は、その被曝の深刻度を明らかにする。

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 入手したショッキングなデータをまず、ご紹介しよう。常総生活協同組合(茨城県守谷市)が、松戸、柏、つくば、取手など千葉、茨城の15市町に住む0歳から18歳までの子どもを対象に実施した尿検査の結果である。

「初めの10人を終えたとき、すでに9人からセシウム134か137を検出していました。予備検査を含めた最高値は1リットル当たり1.683ベクレル。参考までに調べた大人は2.5ベクレルという高い数値でした。いまも検査は継続中ですが、すでに測定を終えた85人中、約7割に相当する58人の尿から1ベクレル以下のセシウムが出ています」(常総生協の横関純一さん)

 検査を始めたのは、原発事故から1年半が経過した昨年11月。検査対象全員の146人を終える来年明けごろには、セシウムが検出される子どもの数はさらに膨れ上がっているだろう。

 セシウム134と137はウランの核分裂などにより生じ、自然界には存在しない物質だ。福島から近い関東の子どもたちが、原発事故で飛び散ったセシウムを体内に取り込んでいるのは間違いないだろう。副理事長の大石光伸氏が言う。

「子どもたちが食べ物から常時セシウムを摂取していることが明らかになりました。例えば8歳の子どもの尿に1ベクレル含まれていると、1日に同じだけ取り込んでいると言われます。内部被曝にしきい値はないので、長い目で健康チェックをしていく必要があります」

 関東だけではない。放射能汚染による体内被曝が、東海や東北地方にまで及んでいることも分かった。福島を中心に200人以上の子どもの尿検査を続けている「福島老朽原発を考える会」事務局長の青木一政氏が、実例を挙げて説明する。

「昨年11月に静岡県伊東市在住の10歳の男児、一昨年9月には岩手県一関市在住の4歳の女児の尿からセシウムが出ました。この女児の場合、4.64ベクレルという高い数字が出たため食べ物を調べたところ、祖母の畑で採れた野菜を気にせずに食ベていたのです。試しに測ってみたら、干しシイタケから1キロ当たり1810ベクレルが検出されました」

 食品に含まれる放射性セシウムの基準値は、1キログラムあたり一般食品100ベクレル、牛乳と乳児用食品50ベクレル、飲料水と飲用茶10ベクレルだ。ただし、基準そのものに不信感を持つ消費者も多い。検査もサンプル調査だから、東日本の食材を敬遠し、なおかつ1ベクレルでも気にする風潮につながっている。

 体内にセシウムを取り込むと、どういう影響が出るのか。内部被曝に詳しい琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏が解説する。

「セシウムは体のあらゆる臓器に蓄積し、子どもの甲状腺も例外ではありません。体内で発する放射線は細胞組織のつながりを分断し、体の機能不全を起こします。震災後、福島や関東地方の子どもたちに鼻血や下血などが見られたり甲状腺がんが増えているのも、内部被曝が原因です。怖いのは、切断された遺伝子同士が元に戻ろうとして、間違ったつながり方をしてしまう『遺伝子組み換え』で、これが集積するとがんになる可能性があります」

 矢ケ崎氏は、尿中に含まれるセシウム137がガンマ線だけ勘定して1ベクレルだとすれば、ベータ線も考慮すると体内に大人でおよそ240ベクレルのセシウムが存在し、それに加えてストロンチウム90もセシウムの半分程度あるとみる。

 体に入ったセシウムは大人約80日、子ども約40日の半減期で排出されるが、食物摂取で体内被曝し、放射線を発する状態が続くことが危険だと言う。

 常総生協が昨年度、食品1788品目を調査した資料がここにある。結果を見ると、280品目からセシウムが検出されていた。米74%、きのこ63%、お茶50%、それに3割近い一般食品にもセシウムが含まれていたのだ。

※週刊朝日  2013年10月4日号
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