2012年12月29日土曜日

八王子市がれき焼却・12月2日の再質問に対する市長からの回答と問題点


八王子市からの回答(↓下方に掲載)に対する意見

八王子市長殿

ご回答ありがとうございました。
これまでの質問と回答において、市民の健康を優先することなく、国の方針通り従うという表明だけで、論理的に破綻していると考えられる点が多々ありましたことは、大変残念に思っております。が、ここでは、前回の回答だけについて、もう一度整理すると、以下のような結論になると認識しております。

ダイアモンドオンラインに、「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能 拡大する管理なき被曝労働」という記事が載り、目に見える形で、焼却灰がバグフィルターを通過していることが明らかにされたことについての質問について、付着物がないとの回答があったため、いつ定期点検するかで付着物の有無は一概に言えないと指摘したところ、「消音機の定期点検はしていない。誘引通風機内の付着物の状況しか確認していない。(消音機への付着物の有無は不明)」ということがわかりました。つまり、八王子戸吹清掃工場でも、排ガスの消音機に、バグフィルターを通過した焼却灰が付着していることはありうると言う事になります。
また、焼却時に排ガスの放射線量を測定するのは意味がないと指摘したことに関しては、放射性物質濃度を測定するという説明に変更になりました。しかし、本当に必要なのは、この濃度に排ガスの総体積を乗じた放射性物質総量です。

そこで、他焼却場の例から推定すると、日300トンの焼却炉の排ガスは、おおむね10万㎥/時であることから、引き受けがれき500トンを10倍に薄めで焼却するとして、焼却量5000トン、焼却日数は5000トン/300トンで、17日。排ガス総量は、10万×24時間×17日で、4080万㎥ということになります。排ガスの濃度測定限界が2Bq/N㎥ですから、もし不検出であっても、最大8160万ベクレルの放射性物質が周辺の住宅地にばら撒かれることになります。この放射性物質は、排気塔から均一に拡散することはなく、季節風にのって、南側の一定範囲に集中的に降りかかることになります。直接、これを呼気等によって吸入すれば、内部被爆による被害が発生する可能性があります。このように、、八王子市長が、一方的に市民に被曝させることは許されるものではありません。

放射性セシウムが僅かでも体内に取り込まれると様々な障害が生じることは、ベラルーシでのバンダジェフスキー博士の研究などによっても明らかにされている通りです。最近では、茨城県において、小中学生に2011年以降、それ以前に比べて、心電図異常が急増しているという事実も明らかになりました。八王子市におけるがれき受け入れは、将来に禍根を残すことなく、もう一度再考されるよう、強く要望する次第です。



                                       平成24 年12 月28 日
〇〇 〇〇 様

                                       八王子市長 石森 孝志
いただいたメールの回答について
平成24年12月2日のメールでいただきましたご質問の内容について、下記のとおり回答します。
                       記

1.消音器の点検清掃等について
消音器は構造上簡単に取り外しができませんので、定期点検・清掃は行っておりません。したがって、消音器の手前の定期点検等を行っているクリーンルーム及び誘引通風機内の付着物の状況を説明させていただきました。

2.排ガスの放射能濃度の測定方法と検出限界について
排ガスの放射線量の測定は、環境省の「廃棄物関係ガイドライン 第五部放射能濃度等測定方法ガイドライン」に準拠し測定しています。検出限界は2Bq/N㎥です。

3.排ガスの放射線量の測定について
ご指摘のとおり、前回回答での「放射線量の測定を行い」は、「排ガスの放射能濃度の測定を行い」の誤りでした。訂正させていただきます。



《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
電話 042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp

2012年12月19日水曜日

豪の医師ヘレン・カルディコットさん講演(徳島新聞より)


【福島第一原発事故の影響】
 放射能被害についての世界的権威として知られるオーストラリアの医師ヘレン・カルディコットさんによる講演会「ヘレン・カルディコット博士日本公演 with 木下黄太」が、徳島市のあわぎんホールで開かれた。カルディコットさんは、福島第一原発事故を受けて「原子力事故には終わりがない。食べ物は汚染され続ける」などと、日本の放射能の現状や危険性について話した。吉野川鴨島町出身の木下黄太さんが司会を務めた。(須見千次郎)

【遺伝性疾患 増える恐れ】
 私は、小児科医で、特別な遺伝性疾患が専門。福島第一原発や旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発の事故による放射能が環境を汚染することで、遺伝性疾患は増えていく。このことが一番重要だ。

 新か生物学者のティム・ムソ―教授(米国サウスカロライナ大学)が、福島とチェルノブイリの立ち入り禁止区域内に生息する鳥や昆虫類の研究をしている。その中で、普通より小さな脳を持つ鳥たちを発見。多くの雄の鳥は生殖できないこと、くちばしやしっぽが変な形になっていることも見つけた。

 放射能汚染によるがんの潜伏期間は大変長く、5年から80年とされる。これは広島と長崎の被爆者のデータから分かっている。原爆はおとされて5年後に白血病が増え始めた。乳がんや甲状腺がんといった固形がんは15年くらいから増え始めた。それぞれのがんで潜伏期間は異なる。被爆者の間では現在、骨髄がんや腎臓がんなどが起こっている。

 米国政府は被爆者を実験材料として扱い、研究のデータを取っただけで治療はしなかった。被爆者は日本政府からもきちんとした資料を受けることができなかった。

 人間の細胞の中には染色体があり、そこに遺伝子が含まれている。一つ一つの細胞に調節遺伝子があり、放射能が細胞に当った場合、調節遺伝子やDNAを損傷する。しかし、遺伝子が損傷を受けたことはまったく分からない。

 卵子と精子が放射能で損傷を受けると、その中の遺伝子も損傷を受ける。遺伝子の損傷が世代から世代へと受け継がれていくことになる。放射能は見えない静かな殺人鬼だ。

 福島第一原発事故で汚染されたコメを食べたら、消化器の中から吸収されて、セシウムが脳や甲状腺、膵臓に蓄積される。ものすごい量の放射能が太平洋に放出されたため、海中に落ちた放射能は小魚や藻に摂取され、それを食べる魚に蓄積されていく。汚染された魚は遠い所まで泳ぐため、原発事故は世界的に影響を及ぼす。

 政府は食べ物にふくまれる放射性物質の基準値を定めた。でも買い物に行ったときに、食べ物にどのくらい放射能が入っているか分かるだろうか。

 福島第一原発事故は、メルトダウンを3回起こした。今までの原子力の歴史において聞いたことがないような大事故だ。懸念しているのは、福島の子どもたちがチェルノブイリよりも高線量の被ばくをしているのではないかということ。子どもは放射能に対する感受性が大人の10倍から20倍高い。胎児と成人を比べると胎児の方が何千倍も感受性が高い。
 
【食べ物は汚染され続ける】
 原子力事故には終わりがない。放射能で汚染された食べ物を取ると、体内のいろんな臓器に蓄積され、なかなか排泄されないからだ。これから先も、食べ物は汚染続けるだろう。

 人々のパワーは原子力産業のパワーより強い。子どものため、福島の現状を政治家に訴え続けて欲しい。


2012年12月2日日曜日

八王子がれき焼却 市長への質問その後


前回までの質問に対する回答を受け取り、八王子市長が、自分の説明が論理破綻しようがどうしようが、とにかく問答無用で焼却するんだということしか言わない、上から下りてくる命令に従うだけの、サラリーマン公務員と同じ姿勢であることが、よくわかりました。市民の健康・生命を優先し、言うべきことを言い、やるべきことをやるということが出来ない、自治体の長としてまったく無能な人であることが分かりました。
その直後、ダイアモンドオンラインに、「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能拡大する管理な き被曝労働」という記事が載り、目に見える形で、焼却灰がバグフィルターを通過していることが明らかにされたため、以下のような質問を行いました。それに対する回答と併せて掲載します。


八王子市長殿

 バグフィルターの放射性物質除去効果につきまして、以下のようなあらたな事実が明らかになりましたのお知らせするとともに、前回までのバグフィルターによる放射性物質の除去に関する市としての見解の再検討をお願い致します。


Diamondonine 「環境汚染大国ニッポン 焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能拡大する管理な           き被曝労働(1)」
http://megalodon.jp/2012-1202-0053-05/diamond.jp/articles/-/26833(ウェッブ魚拓)
http://megalodon.jp/2012-1202-0058-07/diamond.jp/articles/-/26833?page=2
http://megalodon.jp/2012-1202-0058-44/diamond.jp/articles/-/26833?page=3
http://megalodon.jp/2012-1202-0059-29/diamond.jp/articles/-/26833?page=4





                                        平成24 年11 月22 日
〇○ 〇○ 様
                                        八王子市長 石森 孝志

いただいたメールの回答について

平成24年10月10日のメールでご指摘をいただきました「790MBq/k㎡という値(東京都測定)」については確認することはできませんでした。(⇐ これに関しては、当方の書き間違いで、790ではなく、790×65=51350MBq/k㎡でした。)

また、同月28日のメールでいただきましたバグフィルターの放射性物質除去効果と市の再検討ですが、本市の戸吹清掃工場でも、バグフィルター設備と煙突の間の煙道に消音器を設置しています。排ガスはバグフィルターのろ布を通った後、反応ろ過集じん装置上部のクリーンルームと誘引通風機を経て消音器に流れていきますが、戸吹清掃工場では手前のクリーンルーム及び誘引通風機内に付着物がないことを確認しており、最終的に外部に排出される煙突の排煙口手前で行っている排ガスの放射能濃度測定結果においても全て不検出となっています。
バグフィルターによる放射性物質の除去効果については、国の見解のとおりで市の方針は変わりありませんが、引き続き排ガスの放射線量の測定を行い、結果をホームページで公表してまいりますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。

《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
電話 042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp


これに対して以下のようにさらに質問をしました。


八王子市長殿

ご回答ありがとうございました。

ご回答中の
「平成24年10月10日のメールでご指摘をいただきました「790MBq/k㎡という値(東京都測定)」については確認することはできませんでした。」

⇒これに関しましては、当方の書き間違いで、790ではなく、790×65=51350MBq/k㎡でした。これは、放射線管理区域に相当する汚染であります。
訂正させて頂きます。

また、戸吹清掃工場で、消音機への付着がないとのことですが、使用時間との関係でなんとも言えないことではないでしょうか?点検清掃が必要になるまで長時間使用した後でも、付着が無いということなのでしょうか?

排ガスの放射能濃度測定結果においても全て不検出とのことですが、濃度測定の方法、検出限界はどのようになっているのでしょうか?

引き続き排ガスの放射線量の測定をするとのことですが、線量ではなく、「放射性物質濃度×排出ガス体積」を測定しなければ意味がありません。薄めて燃やせば濃度はいくらでも低くなりますが、排出される放射性物質量に変化はありません。セシウム137であれば、放射線がほとんど消えるまで300年を要します。焼却したがれきに含まれる放射性物質総量は、必ず放出され一定の範囲に降下します。まして、ガスや大気の線量を測って安全を論ずるなどということは、論外です。

以上、ご見解をよろしくお願い申し上げます。

                                       平成24年12月1日





2012年11月20日火曜日

11月19日 ヘレン・カルディコット博士 院内記者会見


皆様ありがとうございます。私は医師として、また特に子供たちを診る立場の小児科医であったという立場から、本日は福島の事故の医療的な側面から影響についてお話を申し上げたいと思っております。

福島は人類の歴史上最悪の産業事故です。極めて深刻な事故で3つの炉のメルトダウンがおこるという、人類史上初の3連続のメルトダウン事故でした。とにかく莫大な量の放射性物質が放出されました。

そしてひとつ幸運だったことは最初の数日間、風が西から東に、つまり太平洋に向かってふいていたことです。そのあと風向きが北西方向に変わり、日本の南の方向にまで向かって放射性物質が拡散していくということがおきました。

そしてその間、日本政府は放射性物質の拡散についてSPEEDIというシステムを持っていて、拡散状態の評価があったにもかかわらず、パニックを避けるためというような理由で、国民に情報を与えることをしませんでした。ですから中には最も放射線の高かった方向へ向かって逃げた人が出てしまいました。

私自身、チェルノブイリ事故の推移をずっとそのあとを追って緊密に見てきましたけれども、その中で私が言えるのは、ロシア人の人たち、ロシアの国は日本に比べるともっと積極的に人を移動させる、避難させるということに取り組んだと思います。国民を守るためにそのような行動をロシアの方がとったということを私は感じます。

日本の政府も、それから東京電力も理解していないことは、子ども達というのは放射性物質に対する感受性が大人の10倍~20倍とあるということです。放射線被曝に由来するガンにかかるリスクということで、子どもの中でも男の子と女の子を比べた場合には、女の子の方がリスクは2倍になります。

そして成人と比べて胎児を比較してみると、胎児の方がそのリスクは1000倍~何千倍というリスクの高さになります。

そして福島の地域200万人の人がいて、福島市という放射線が高いんですが、その地域に25万人の人口が住んでいる、私は日本政府が子ども達を線量の高い地域に住まわせ続ける、住むことを許しているということに非常な驚きを禁じ得ません。

チェルノブイリの場合は、同じレベルの汚染地域から子ども達を避難させました。私は日本政府、日本の国が、東京電力や原子力産業から強い影響を受けたり、あるいは場合によってはコントロールされるというような状況にあることを知っております。

そしてまた、政治家の皆さんというのは、医療的な側面や科学的なものに対しての知識があまり深いところまでお持ちではありません。

特に福島県、特に線量の高い地域にいる子ども達、妊婦、それから子どもを産む、出産ができる年齢の方々、そういった方々が高線量地域にいるということは、医療的な側面から見て非常に、極めて深刻な問題です。

そして子ども達は一生、今後の人生を生きていく中で、ガンになる可能性が出てくるわけですが、ガンというのは潜伏する期間が結構長くあるということが広島や長崎の経験からわかっています。5年とか17年とかそういった長い年月が掛かります。

そして当局の皆さんは福島の18歳以下の子ども達8万人の検査をしたと聞いております。とくに甲状腺の超音波検査をしたということでした。

そしてこの検査の中で40%の子どもに甲状腺に何らかの異常が見つかったという結果が出ていますが、このような数字というのは小児科の見地からみますと極めてほんとうにまったく希な話であります。

子ども達の中には必ず今後、甲状腺のガンにかかる子どもが出てくると思われますが、すでに12歳の男の子で甲状腺ガンが見つかっていますし、今16歳の女児が検査を受けてガンの可能性が極めて高いと言われて、更に検査をしていると聞いております。

そしてチェルノブイリの場合は、このガンがではじめたのが5年ぐらい経ってからだったんですが、今現在日本でこれだけ症状と言えるものが出ているということは、この日本の子供たちは相当高い線量を受けたのではないかということが言えると思います。おそらくチェルノブイリよりも高い線量の被曝を受けたと考えられます。

医師としての私の立場からみると、日本の政府というのは、日本の人たち、人間を守ることよりも東京電力を守ることにがんばっているのではないかというふうに見えてしまいます。

そして高い線量の地域にいる特に子ども達、妊婦、それから子どもを産める女性の方たち、こういった方たちを移住させる、そこから避難させるというのは極めて重要なことだと私は考えていまして、そこでその移住のための費用を国の政府がきちんとまかなう、負担するということは非常に重要なことだと私は思っています。

ですから実際、非常に弱い立場にある、こういったような子どもや妊婦さんや若い女性、そういった人たちよりも、実際、「東京電力」を守るために予算を使うということをしているのが、今の日本の政治だと思います。

そして放射性元素というのは食物の中に蓄積します。たとえばキノコ類、ほうれん草、お米、お茶、それから魚。放射性物質というのは、味はしません。匂いも全くしないし、目に見えることもありません。ですから福島からきた汚染した食品を人が口にしているわけですが、

残念ながら日本には放射性を帯びた食品を食べることに実質的に規制がないということです。そしてこういった魚とか食品とか放射性物質がある食品、たとえばセシウム137で汚染された食品を食べていると、何年か経った時に悪性の脳腫瘍とか筋肉腫とかその他のガンを発症する、ガンになるという可能性が出てきます。

そして例えば福島県では放射能を帯びている放射性物質が入っているような食事を子どもに与えるというようなことをしています。これは医療的な見地から見ると「非道徳的」と言わざるを得ません。福島からの食品、とにかく毎週すべて検査をする必要があります。

そして検査の結果によっては販売をして口にするということがあってはいけないと考えております。そして魚ですが、太平洋の魚には高い放射性レベルが検知されています。これは放射性元素が大量に海に投棄され放出されたからですが、この太平洋に放出されたこの放射性物質の量というのは、人類の過去の史上最高の量です。

私は400人の一般市民の方を前に講演をさせていただきましたが、そこで私が感じたのは、そこに来られた一般市民の皆さんが、一体どうしたらいいのかということを必死で知りたいと思っている、何が起きているかというのを必死で知りたいと思っていらっしゃるお気持ちでした。

福島の結果どんな影響が起きて、日本に今何が起きているのかということを、広く一般の人に知らせる責任がメディアにはあると思いますが、今のところ、全体的にみてその責任は果たされていないように見えます。

そしてこの福島の事故、これはまだ終わってはいません。まだ続いているわけです。そして今、40年時間をかけてきれいにすると言っていますけれども、科学的に見てきれいにするということはできません。これは科学的に言って不可能です。

セシウム137は300年残ります。そして福島はじめその周辺の汚染地域も汚染されたままです。食品の汚染も、そして人が汚染を受けたものも、300年あるいはそれ以上の時間続くわけです。

そして国の政府は、どうも今回の大災害というか大事故がどれだけ長い時間がかかるものかという現実をよく理解されていないと思います。

そしてこれから疫学的に見ても、白血病やガンや先天性の形成異常とかそういったものが、今後70年間にわたって次々出てくるであろうということを私は思います。そのことを実は原子力産業も知っているのではないかと思います。福島に今、ガンに対応するための非常に大きな医療施設を作ろうとしていると聞いています。

そしてまた福島の原子力発電所の処理をするために、極めて高い線量のところで作業しておられる作業員の方々についても、公に記録が人々に見える形で残されていない状態に今あります。

そして高線量のところで作業をする人たちの放射線による被害の状態というのはきちんと記録がなされ、それが公の情報として出されていかなければいけないと思いますが、それが実際に可能になっていくかどうかは、このメディアによっているところが非常に大きいと考えています。

そしてもう一つ、最も重要な点なんですが、日本の多くの人に知っていただきたいことは、もし福島の地域でもう一度マグニチュード7を超えるような大きな地震があった場合には、福島原発の4号機、この建物が崩壊する可能性があるということで、

ここには使用済み核燃料の冷却用のプールがありますが、これが崩壊しますと、チェルノブイリで起こった10倍の放射性物質がさらに放出されるということが、予想されているという点です。

そしてもしそのようなことが起きた場合、日本という国の大半の部分が、もう終わってしまうということです。それほどの大事であるにもかかわらず、多くの人がその現実にはっきりと気づいていないということだと思います。

そして政治家の方はすでに、もし4号機に何かあってそういった崩壊とかの事故があった場合には、東京も今度は避難しなければいけなくなるというようなことをわかって言っていらっしゃいますが、一体3000万人の人をどうやって避難させるんでしょうか?

そして日本の政府もそれから東京電力も、外国の企業からの助け、あるいはアメリカのNRCからの助けや海外の専門家からの支援を得ることを認めていませんので、得ていない状態にありますので、4号機を補強する、強化をして安全にするためにぜひ協力を仰ぐべきだと考えます。

今、日本だけ、東電だけで、いまこの対処をするのに、クレーンを設置して中の使用済み燃料を取り出すことができるようにするのに2年掛かるということを言っていますが、その2年間待っている間に何が起きてもおかしくありません。

そして最後に申し上げたいことは、がれきの問題です。放射能で汚染された地域から出たがれきについて、これを他の地域で焼却するということを聞いています。焼却するということは、ダスト、灰が出るわけです。そのようなことをして、広めるということは、これは犯罪的なことであると思います。私からは以上でございます。ありがとうございました。

2012年11月19日月曜日

H.カルディコット博士東京講演 2012.11.17成城ホール



【カルディコット博士@成城1】私はM.D.としてまた小児科医として、子ども、女性、胎児が、放射能に対していかに脆弱であるかと。原子力産業はすぐバックグラウンド放射能があるなどと言いますが、全ての放射能が危険でなのです。BGの癌に対する影響は30%程度。

【カルディコット博士@成城2】X線は、病院や空港などでその影響を受けるが、様々な放射線全ての積み重なりとして、影響を考えます。その中で、X線は身体を通りぬけもので、通過する際に細胞が影響を受けるのです。

【カルディコット博士@成城3】γ線は、福島第一の事故でかなり多く出た。事故初期は、ガンマ線を発する雲から大きな被曝をしている。その後、地面から出る状態になり、現在は、地面近くで遊ぶことの多い子供に大きな影響が及ぶ状態です。

【カルディコット博士@成城4】α線は、中性子と陽子が2個の原子核です。プルトニウムやアメリシウムから出る。皮膚に着くと皮膚直下に影響する。プルニウムやウラニウムを肺に取り込むと、直近の細胞が影響を受け、非常に強度が強いので、その細胞はほとんど死滅する。

【カルディコット博士@成城5】アルファ線は、細胞分化の調整機能に影響し突然変異を起こす。細胞が規則正しく増えていけばよいが、突然変異したものは、百万の単位で増殖するようになり、それが癌となる。

【カルディコット博士@成城6】β線の精子や卵子への影響が重要。中にある次世代を作る遺伝子が重大な影響を受ける。ベータ線の外部被曝や内部被爆により、卵巣が被曝すると、胎児に糖尿病などの遺伝的な病気が出る可能性がある。遺伝子病は次世代に受け継がれ、世代を超えるごとに深刻化する。

【カルディコット博士@成城7】半減期について。ヨウ素131は8日で、およそ10週間で無くなる。セシウム137は、30日で、ほぼ無くなるのに300年かかる。ストロンチウムも300年。プルトニウムは、25万年である。

【カルディコット博士@成城8】プルトニウムは、1原子炉で約250kg使用される。鉄と性質が似ているため、ヘモグロミンと一緒に、身体中に取り込まれる。特に、造血作用と関係する骨髄に行き、骨に取り込まれて白血病の原因になる。

【カルディコット博士@成城9】受胎した子宮に取り込まれると、とりついた位置により、その子宮壁(図解)に胎児の頭部右が接していれば、受胎した時から非常に重要な器官となる胎児の右脳が、被曝し影響を受ける。もし、精子に取りつけば、受精した子どもに影響が出る。

【カルディコット博士@成城10】セシウムは、カリウムに似た挙動をする。脳や筋肉に影響。ストロンチウムは、カルシウムと似て、歯や骨に影響。骨癌や白血病を発症させる。

【カルディコット博士@成城11】被曝には、外部被曝と内部被曝の2種類があり、放射性物質を体内に取り込んで、長期間影響を与えるのは内部被曝。土中のセシウムは、植物によって100倍濃縮され、それを牛が食べれば、肉、乳でさらに100倍濃縮される。食物連鎖の頂点にいる人間の濃縮度が高い。

【カルディコット博士@成城12】原子力産業は、γ線による外部被曝のことしか話さない。子どもが放射性物質を摂取すれば内部被曝をし、子どもは大人に比べ10~40倍感受性が高い。それだけ突然変異を起こす可能性も高い。女性は男性の2倍。胎児は成人の1000倍。妊婦の腹部X線で白血病10倍

【カルディコット博士@成城13】原子力産業の基準は、70kgの成人を対象に基準が作られており、それで安全だといっているのは間違っている。

【カルディコット博士@成城14】原子炉には211もの核種があり、全ての放射線影響を考えれば10億?倍にもなる。トリチウムは半減期12年で皮膚から直接吸入、呼気からも。放射性ベリリウム、放射性炭素、放射性シリカなど、・・・211核種の一覧表 http://www.ccnr.org/hlw_chart.html

【カルディコット博士@成城15】ほとんどの放射性物質の影響は全く研究されておらず、食べた場合の影響についても言及されていない。そして、原子力産業も政府も嘘をつく。

【カルディコット博士@成城16】ほうれんそう、キノコ、福島の米は汚染を希釈して出荷。これらから、ヨウ素131で甲状腺がん、セシウム137、ストロンチウムで、脳腫瘍、骨癌。妊婦が種々の核種を取り込むと、胎児にも入る。内部に取り込んだ物質で何カ月何年も10~100倍の被曝が続く。

【カルディコット博士@成城17】チェルノブイリの148万Bq/m2以上の立ち入り禁止は、半径30km圏と異なる。日本政府よりロシアの方が熱心に必要な対応を取っている。子供達を退避させるべき。スェーデンでもダウン症や低IQ児が誕生。英国でも一部農地を100年閉鎖措置をした。

【カルディコット博士@成城18】空からガイガーカウンターでγ線を計測した日本地図。ブラウンシャインという。これは、β線を計っていないので、正確な汚染地図ではない。 pic.twitter.com/NblaEXrJ

【カルディコット博士@成城19】ミュータントトマト。突然変異でこのようなことが起こる。これが、胎児だったらとかんがえて! これは医学校では教えてくれないことです。今日、私が話すことを理解して下さい。理解することが重要です。 pic.twitter.com/qi9V7VRN

【カルディコット博士@成城20】ICRPが伊達市で行ったタウンミーティングでの話しに驚愕した。「学ぶべきこと。子供達は科学知識だけでなく、そこで暮らす知識を学ぶべき」と。18才以下の35.7%に甲状腺の結節などが見られる。小児科医としては、結節が見られること自体が異常。

【カルディコット博士@成城21】事故直後に相当高い被曝をした。チェルノブイリの時は5年後から、福島では極めて早い時期に見えてきている。必ずしも悪性でないかもしれぬが、生検によるフォローしていない。するべきだ。これは氷山の一角で、どんな癌でも引き起こす。今は甲状腺しか注目してない。

【カルディコット博士@成城22】ICRP伊達市ミーティングで、「子どもが自ら判断力を養うべき」というとんでもない発言。「子どもが原発事故の経験を活かし、次の世代に伝える」?「放射線教育を文化とし、経験を活かす」?

【カルディコット博士@成城23】東京で何をしなければならないか?東京は平均800Bq/kg、他にα線核種、β線核種も存在する。皆さんは、東電、広告会社、マスメディアに騙されている。私は皆さんに14の提言を用意しました。(詳細⇒ https://docs.google.com/file/d/0B68f83tqq7QudTFBV01NZ2p1QzA/edit?

【カルディコット博士@成城24】私はいま太平洋でとれる魚を食べない。特に、日本の東の太平洋側、小さな魚から大きな魚へ濃縮される。どれだけ食べたかを知ることができない。食べ物は、汚染されているのかいないのか、どこでとれたのかを知ってから食べる。

【カルディコット博士@成城25】4号機使用済み核燃料の取り出し開始に、東電の計画ではまだ2年かかる。これは国際社会では受け入れられていない。震度7の地震で、プールから水が抜ければ、チェルノブイリの10倍の放射性物質が出て、東京も避難が必要になる。

【カルディコット博士@成城26】政治家の言う事は信じない。皆さんのなすべきことは、革命かもしれない。そして、それをするのは、妊娠する可能性のある女性達です。皆さんは東電に支配されてはいけない。命がかかっているのだから。大飯原発も活断層の上に立っていると言われています。

【カルディコット博士@成城27】皆さんの質問の中で最も多いのは、体内に取り込んだ放射性物質をどう取り除くかということですが、残念ながらそういう方法はありません。私は医師だから真実を伝える義務がある。ここから先は、皆さんが皆さんの国をどうしていきたいのかということになります。

【カルディコット博士@成城28】自著、"Nuclear Is Not the Answer" "Nuclear Madness" など紹介。日本語訳も出ると思う。日本は、石油火力や原子力から、再生可能エネルギーに変えて欲しい。そのことで賢い日本人は世界をリードしてほしい。

【カルディコット博士@成城29】N.Y.科学アカデミーのチェルノブイリ調査報告書。甲状腺機能低下の子供患者が多く出た。子供以外にも多かった。白血球についても子供、特に高線量下の子供に多く影響が出た。高線量の子供の中には感染症が多く出たと聞く。福島については情報が出ないので解らない

【カルディコット博士@成城30】福島はチェルノブイリより悪い。放射性物質は5倍出たと言われている。初期は太平洋に流れたが、その後陸地に向いた。アーニ―ガンダーセンはキセノンがかなり出ていると言っている。肺に吸い込むと癌になる可能性がある。影響は甲状腺だけではない。

【カルディコット博士@成城31】広島長崎の調査は5年後から。その間死者が多く出たが記録に残されてない。調査結果から、放射線被曝と癌の関係はあらゆる癌に及んでいることが分かった。癌によって発病するまでのインキュベーションタイムが異なる。白血病5年、呼吸器癌15年、今でも発病がある。

【カルディコット博士@成城32】首都圏でのう胞や癌が出ているのが事実なら、これまでの調査結果より早い時期に癌が発生しているのではないかということは、その通りである。影響が分かっていないセシウム以外の汚染物質が体内に取り込まれている可能性がある。

【カルディコット博士@成城33】東京でアメリシウムが発見されたのではないか?ボストンでは発見された。プルトニウムより危険だ。日本政府はアメリシウムを調査していないが、セシウムは一つのマーカーに過ぎない。

【カルディコット博士@成城34】3基の原子炉が同時にメルトダウンしたのは、原子力産業が始まって以来はじめてのことである。子供や妊娠可能な女性は、血液検査をするくらいなら、早く逃げて下さい。

【カルディコット博士@成城35】東京から逃げるかどうかは、個人の判断ですが、私だったら、東京には住んでいない。子供がいれば住まない。もし4号機プールに事故があれば、ボストンにいる家族もオーストラリアに連れて行く。大気は南北半球で混じらない。魚は行き来するが。

【カルディコット博士@成城36】子どもが生まれつきのう胞を持ってるのは極めてまれ。のう胞、結節のうち癌になるの結節。生まれながら持っているとすると、胎内で被曝したことになる。その場合、脳にも影響するから、知恵遅れ、形成不全が発生する。

【カルディコット博士@成城37】福島第一ではヨウ素の放出が続いています。まだ、危険。東電は40年かかると言っているけど、40年では綺麗になりません。それに加えて、放射性廃棄物が出る。みなさん、どうしますか?オーストラリアにでも送りますか?

【カルディコット博士@成城38】汚染度合いを何で判断するか?土壌、ハウスダストを調べると思います。その調査は本来、国の予算でやるべきことです。費用を請求すべきです。私だったら、東京にはいませんが。

【カルディコット博士@成城39】土壌セシウム800Bq/kg の東京で何か起こるかと問われて⇒答えはYes.空気の中のダストを吸うわけですから。200種もの核種が土壌には存在する。もうひとつ、福島の食品を食べている。土壌も大事だが、食べるものも重要。

【カルディコット博士@成城40】東京の人に対し・・・子供、女性は避難を速めて下さい。それを言うのは、とても辛いですが。なかなか決断が付かない。懸念している人も少ない。そういう人に強く言って下さい。事故はまだ収束していない。四号機も、何があってもおかしくないことを念頭におくように。

【カルディコット博士@成城END】以上、連投。すべて、講演を聞きながらの個人的なメモです。聞き間違い、聞きもらし等、内容の正確性については保証の限りではありません。

2012年10月10日水曜日

八王子市がれき受け入れ 再々質問への回答


                                          平成24 年10 月10 日
〇〇 〇〇 様
                                          八王子市長 石森 孝志

平成24年9月18日のメールでいただきましたご質問の内容について、下記のとおり回答いたします。
                       記
1.災害廃棄物処理の契約と広域処理の必要性について
東京都に確認した結果、宮城県が女川町を含む石巻地区の災害廃棄物処理を鹿島JV と契約した委託契約には、女川町の可燃性災害廃棄物は含まれておらず、二重契約ではありません。宮城県内の仮設焼却場は9月末現在試験稼働中も含め22 炉稼働しており、県内の災害廃棄物処理は進んでいますが、今回の受入れは宮城県と女川町からの要請に基づき行うものです。女川町の災害廃棄物を早期に処理することによって復興への歩みを確かなものとすることが長期的・安定的な雇用創出につながるものと考えています。また、都市計画変更や土地区画整理の諸手続きの遅れについては、直接支援ができませんので、災害廃棄物処理で支援をしていきます。


2.災害廃棄物の受入れについて
これまでも回答しているとおり、災害廃棄物処理にあたっては、国の基準に則り、焼却灰や灰ガス等の放射能濃度及び戸吹清掃工場の敷地境界・周辺地点の放射線量を定期的に測定・公表し、安全性を確認しながら受入れを行っていきます。


3.排ガス処理装置の性能について
これまで、災害廃棄物を既に受入れている東京23 区清掃一部事務組合及び多摩地域の清掃工場における排ガス測定データが公表され、セシウム134、セシウム137 ともすべて不検出となっております。また、本市から発生する通常可燃ごみについても、1 回/月排ガス測定を実施しすべて不検出であることか、バグフィルターでの捕集ができていると考え、性能は確認されているという認識でおります。また、放射性物質汚染対処特措法の施行規則に基づいて、事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の処理施設においては、周辺環境の大気において濃度限度を超えない(セシウム134 とセシウム137 のそれぞれの実測値を基準値で除した和が1 を上回らない)ように、施設からの排ガスを大気への排出口で監視することになっています。これは、原子力発電所等の排ガスに適用されてきた考え方と同様です。濃度限度の根拠は、同一人が0 歳から70 歳になるまでの間、当該濃度の放射性物質を含む空気を摂取し続けたとしても、被ばく線量が一般公衆の許容値(1mSv/年)以下になる濃度として設定されたものです。女川町の災害廃棄物の広域処理は、放射性物質汚染対処特措法の規制対象ではありませんが、排ガスの安全性について、濃度限度の考え方に準じて評価することは可能です。濃度限度は排ガスが大気中で希釈された後の周辺環境に対するものであることから、測定において大気への排出口でこれを満たしていれば、周辺環境では十分に濃度限度を下回ることになるので、安全上問題ないと言えます。

≪排ガスの濃度限度≫
134Cs の濃度(Bq/㎥)/20(Bq/㎥)+137Cs の濃度(Bq/㎥)/30(Bq/㎥)≦1


4.焼却灰の処理について
多摩地域では、エコセメント化施設により最終的に焼却灰の処理がされているところですが、そこでのエコセメント製品の放射能濃度測定結果は不検出となっています。既にご存知のことと思いますが、100Bq/kg 以下の原子力発電所から出る廃棄物については、再生利用できると原子炉等規制法で定められているところであり、エコセメントとして製品化することは、問題ないと考えております。なお、焼却灰は全量エコセメント化されており、処分場には一切埋立てをしていないため、埋立処分場の浸出水に溶出することはありません。

5.バグフィルターの有効性について
放射性セシウムについては、引き続き焼却灰や排ガス等測定を行い注視してまいります。アスベストについては、受入れを予定しているのは災害廃棄物の可燃物であり、アスベストを含む被災建築物の断熱材などは不燃物に当たり、選別工程で取り除くことができますが、選別作業場はもとより、被災地の環境を保全する意味からも、東京都がアスベスト濃度を現地で測定して公表しています。なお、本市でも受入れにあたり、戸吹清掃工場で測定し公表する予定です。
ダイオキシンについては、災害廃棄物に限らず、市内のごみ焼却に伴い生じる可能性があるものです。このため、平成11年にダイオキシン対策特別措置法が定められ、排出防止対策や排出基準が定められています。本市のごみ焼却炉もこの適用を受けており、完全燃焼や排ガスの急速冷却など様々な対策を講じていますが、引き続き適正な管理をし、排出基準を満たしていきます。その他ヒ素、六価クロムなどの有害物質についても、受入れにあたり測定をする予定です。
なお、〇〇様からご指摘の放射性セシウムの総量についてですが、今回、本市の災害廃棄物の受入れ予定量は500tで、仮に搬入される災害廃棄物のすべてが133 Bq/㎏(石巻広域クリーンセンターでの焼却試験の測定結果)とすると総量は66,500,000 Bq/㎏≒67MBqです。文部科学省による土壌放射能濃度の測定結果(http://search.kankyo-hoshano.go.jp/top.jsp 2009 年度)によると、東京都(調査地 新宿)で88 MBq/k㎡~256MBq/k㎡のセシウム137 が検出されており、その平均は160 MBq/k㎡です。この濃度で本市全体(186.31k㎡)に放射性セシウムがあると仮定すると、約29,810 MBqとなります。
今回、受け入れる500tの放射性セシウムの総量は、福島原子力発電所の事故前から検出されている土壌中のレベルの0.22%ほどであるため、今回の受け入れる災害廃棄物による健康被害は無視できる値と考えます。
なお、自然放射線と人工放射線の比較の可否については、自然の放射性物質や人工の放射性物質から放出される放射線による生物への影響は、放射線(ガンマ線、ベータ線など)の種類とエネルギーが同じであれば、生物へ与える影響も全く同じであり、同様に比較することが可能です。この種類とエネルギーの違いによる影響については、人工の方がより強い影響を与える放射線を放出するということはありません。

6.平成24年7月23日の初回の回答について
ご指摘のとおり、「放射性セシウムは、沸点1,300℃、融点646℃であり、」の「放射性セシウム」は、「塩化セシウム」の誤りでした。申し訳ありませんでした。
なお、独立行政法人国立環境研究所の災害廃棄物タスクチームなどの調査では、ごみが燃やされた場合、セシウムは単体で飛んでいくのではなく、基本的には塩化セシウムになるとしています。塩化セシウムは飛灰などに凝集・吸着して、飛灰とともに1μ以上のものをバグフィルターで捕集できるとしておりますので、大気中に拡散することはないと考えています。


《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
電話 042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp


八王子市長 殿

 ご回答ありがとうございました。
 しかし、まともな回答とは思われません。
  
 新宿の例を持ち出されていますが、現状を御存知でしょうか?
 放射性セシウムで、790MBq/km2という値(東京都測定)です。

 これは、現行法律上、放射線管理区域です。
 18未満立ち入り禁止です。

 八王子市も多かれ少なかれ同様の状態にあるわけで
 そこへ、1Bqでも上乗せすることが、健康上問題なしと
 どうしていえるのでしょうか?正気の沙汰とは思えません。


 その他、バグフィルターの件で、すべては塩化セシウムとなって
 いることも、全てが1μ以下の固形物となっていることもあり得ません。
 良く調べてもう一度ご回答お願いします。

                                 

2012年9月21日金曜日

がれき受け入れいについて、八王子市HPの市政への提言に対する、人を馬鹿にした回答


【八王子市政への提言】
昨日の新聞報道で、女川がれき500トンを、来年の1、2月に戸吹清掃工場で焼却とありました。
女川は、八王子より遥かに高く放射能汚染されております。1キロ100ベクレルのがれきであれば、放射性セシウムだけでも総量5千万ベクレルが、冬の季節風に乗って市内方面にまき散らされます。これにより放射能にりる治療不可能な健康被害が引き起こされる懸念は大きものがあります。
そもそも、石巻地区のがれきは、昨年、鹿島JVに全量発注されていたもので、契約後にわざわざ、費用をかけて、遠方に持ってくることに、正当性はありません。また、法律にも抵触します。
さらに、今年になってから、宮城県の見直しにより、がれきの量は半減しており、十分域内での処理が可能です。がれきは去年の段階、仮置き場に移されており、広域処理しないと復興出来ないというのも大ウソです。
放射性物質は、拡散させないというのが、国際的な取り決めであり、常識です。これを無視し、市民の健康を犠牲にして、正当でないがれきの広域処理を推し進めることについえ、市長としてどうおかんがえでしょうか。
私は、がれきを八王子市で焼却処理することに反対です。強く抗議します。







【八王子市長からの回答】

                                平成24年9月20日
○ ○ ○ ○ 様


八王子市長 石森 孝志

平成24年9月4日にメールでいただきました市政への提言について、下記のとおり回答いたします。

                      記

 新聞報道のとおり、本市では、来年1月、2月に女川町の可燃性災害廃棄物の受入れをしていきます。
 今まで回答してまいりましたとおり、戸吹清掃工場からは排ガスに交じって放射性物質が拡散されることはないと考えておりますが、引き続き測定を行いながら受入れを行う所存ですので、ご理解とご協力をお願いいたします。




【そして抗議】

八王子市長殿

 メールで返信頂きましたが、質問に対する回答にはなっておりません。市民をバカにするのもいい加減に
してくれませんか。
質問した内容に、逐一回答をお願いします。
放射能の影響は、後世代に及ぶ命がけの問題だと認識しております。こんな、軽々しい行政をされたの
ではたまりません。
よろしくお願いします。
なお、一連のやりとりは、すべて、ブログ、ツイッターにより、公開させて頂いております。




2012年9月15日土曜日

八王子市がれき処理/市からの再質問回答に対する再々質問


                           
八王子市長 石森 孝志 殿
  
                           八王子市
    ○○○○ 


再度ご質問につきました、ご回答を頂きまして大変ありがとうございました。

なお、更に疑問点が多く出てまいりましたので、下記の通り、もう一度質問をさせて頂きますので、ご回答頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。


1 受入れ計画の見直しについての回答
 平成245月には、解体が必要な被災家屋等の見込みが明らかになったことや、相当量災害廃棄物が海に流出したこと、その引き上げ量の見込みが立ったことなどから、これまでの災害廃棄物の推計量が見直され、宮城県の広域処理希望量は127万トンとなりました。そのうち女川町の広域処理依頼量は10万トンから61千トンになっています。
被災地である女川町では、平地がほとんどなく、仮置場も民間が管理する土地を利用していることから、災害廃棄物処理をしなければ本当の意味での復興はされないものと認識しており、広域処理希望量が減りはしましたが、依然として広域処理は必要であると考えています。

1について
【宮城県のがれき処理契約は二重契約となっている】
 まず、当初東京都が受け入れの基本協定を締結した2011年11月24日には、すでに女川町のがれきは、全量が鹿島JVに業務委託されており、本来は東京に持ってくる分は無かったということ、その後発注済みのがれきについて実施した受け入れ契約は、不法な二重契約に当たる恐れがあるという点について、確認して頂きたいと存じます。

【がれき処理量の見直しで広域処理は不要化】
 また、宮城県全体としては、当初の685.4万tが見直しで312万tとなりました。そもそも当初の広域処理の必要性は、がれきを2年間で処理をするため、8割を地元、2割を広域処理と言うものでした。県内で685万tの8割の548万tは県内処理が可能とされていたわけですから、見直しにより312万tとなったことで、広域処理を無くしても十分県内処理は可能でとなりました。おまけに、宮城県内には、当初の計画で作られた仮設焼却施設が29も稼働しており、一日あたりの処理能力が4495tとされる。このため仙台市は来年五月までに処理を終え、石巻の10万トン分を受け入れる余裕があると表明しています。
ご承知の通り、宮城県議会においても県内処理が可能であり、県内処理すべきであるとの議論があったところです。
このような状況下で、あえて広域処理分のがれきを無理やり残して、地元処理の3倍ものコストをかけて東京へ運搬し処理する必要性自体が無くなったと考えられます。その結果、地元の雇用すら十分に確保できない状況になっており、とても人道支援とは言えない状況です。

【がれき処理の遅れが復興の遅れというのはまちがい】
女川のがれきは、とっくに仮置き場に搬入され、復興の遅れの原因は、がれきではありません。復興庁の発足が1年後になるなど、政治のリーダーシップのなさを、がれきに転嫁しているだけです。女川町にあっては、現在まだ、都市計画変更、土地区画整理事業の手続き中であると認識しており、がれきが理由で復興が遅れているわけではないと考えられます。

以上の事実より、なぜ「広域処理希望量が減りはしましたが、依然として広域処理は必要であると考えています。」という結論に達するのか、納得のいく説明をお願いします。

(参考:ガレキ処理より必要なこと【女川町の場合】日刊スパ http://nikkan-spa.jp/177582 )
(震災1年半、防潮堤進まぬ再整備 着工距離14% 産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120909/dst12090900300000-n1.htm )
(がれき処理地元雇用 目標の4割弱 NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120909/t10014891411000.html )




2 災害廃棄物の受入れについて
 今回のこの震災により被災地では、一日も早い復興を果たし、少しでも元通りの生活を取り戻したいと思っていることから、本市では、同じ日本人として人道的支援をしていきます。


2について


福島原発事故によって発生した放射性廃棄物は、すべて第一義的な責任者である東電が引き取るべきものです。責任の所在を曖昧にし、安易に汚染瓦礫を引き受けることは、今後、放射性廃棄物が全国に拡散される前例となりかねません。
放射性物質を含む廃棄物は、国際合意に基づいて管理すべきであり、IAEAの基本原則でさえ、拡散を防止して集中管理をするべきです。
福島では、今現在、多くの住民が、放射線管理区域に相当する環境に暮らしています。年間1ミリシールトを超える場合、放射線の影響が人体に及ぶことは世界中の研究者が認めているところで、20ミリシーベルトまで安全という、誤った基準を国家が自ら作り、国民の安全は脅かされている状況にあります。
また、放射能汚染された食品が、国の食べて応援という施策により、意図的に拡散されている状況下で、それらから受ける内部被爆も1ミリシールトまで問題ないとされ、フォールアウトによって汚染された環境からの放射線量も1ミリシーベルトまでOK、がれき受け入れでも1ミリシーベルトとまで安全だという具合に、足し算すべき基準値が意図的に悪用され、それぞれ別々に間違った安全論として流布されている異常状態にあります。
 あの、水俣病は、国の排出基準を守っている中で、起こった災禍です。微量の重金属が、環境中で濃縮され、食物連載によって人体へ及んだことで発生したものです。このとき、国は排出基準は濃度では不十分であり総量で考える必要があることを学んだはずではありませんか。
ところが、放射性物質でもまったく同じ過ちを繰り返そうとしています。特に今回、放射能については、もともとあった原子力規制法を無視し、焼却灰でいえば80倍、放射線量では20倍にまで基準値を緩和した上、総量を無視し、その基準値でいくらでも放射性物質を環境中に排出して問題ないという認識をしていることは、驚くべきことです。
 もともとごみ処理は自治体が主体的に行う行政です。国の言いなりになって、住民が将来、健康被害を受けることがあってはならないはずです。八王子市長として、放射能の安全性に対して本気で勉強をされた上で賢明な対処を頂きたいと切にお願いをいたします。







3 排ガス処理装置の性能について
 本市としての実証実験はしておりません。
島田市の試験焼却データについては環境省が見解を出しています。
バグフィルターの性能については、環境省の第十三回災害廃棄物安全評価検討会で出された※資料4で示されていますし、既に災害廃棄物の受入れを実施している二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えております。
  ※この資料については、環境省のホームページの
http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/13-mat_4.pdf
  でご覧いただけます。
 
 3について
本市で確認しないのに、安全と言い切るのは、如何なものでしょうか?すでに、多くの地域では、安全性の問題からがれき受け入れ反対の運動が起こり、あるいは、市町として安全が確認できないとの理由で、がれき受け入れを取りやめた市町も少なくありません。これだけの住民を擁する八王子市の対応として、いかにもお粗末なこととしか思われませんが、如何お考えでしょうか?
 放射性物質は、物質量が問題であって、濃度を測っても安全性についての何の判断材料にもなりません。放射性物質は、いくら薄めても消えることはありません。結局、全体として含まれている総量が、灰や大気汚染として外に排出または拡散されることはかわりません。



4 清掃工場が処理することについて
 本市においては、今まで想定がされていなかった今回の原子力発電所の事故により、放射性物質の拡散があったと認識はしております。また、いろいろな論述がある中で、基準等については、国が示した基準に従い判断をしています。
バグフィルターでほぼ放射性物質が捕集され、その灰を処理していきますので、清掃工場から拡散するということではなく、清掃工場で捕集しているという考えでいます。

4について
まず、発生源からがれきに付着した時点、そのがれきを広域拡散する時点、焼却によりわずかでも環境に排出される量があること、焼却灰を処分場に埋め立て、特に水に溶出しやすい飛灰のセシウムが、浸透水により漏出する可能性があることから、いずれも行為もすべて、放射能を拡散していることになると認識しております。





5 バグフィルターの有効性について
二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で既に災害廃棄物の受入れを実施しており、排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えています。 
なお、バグフィルターで直接放射性物質を捕集するというより、放射性物質が灰や活性炭に吸着しそれらと一緒に捕集されると考えています。工場でのバグフィルターの交換時には、最初にある程度目詰まりをさせるため、珪藻土を吹き付ける処理をしています。

5.について
当初、環境省がバグフィルターは99.99%セシウムを捕集すると言っていた時点では、明確な根拠となる事実は存在しなかったことは、環境省も認めており、今年になってやっと根拠と言われる資料を、あとづけで整備したのが実態だったと認識しております。つまり、ほとんど根拠のない数値をもとに、広域処理計画が進められてきたと言えます。環境省資料による実験結果は、99.9%台となっており、ややトーンが落ちています。この数値は、フィルター前後の排ガスを分析したものとされておりますが、完全な物質収支ではないことは、環境省も認めている通りです。つまりこの資料の説明によれば、厳密には、がれきに含まれているセシウムの99・9%が確実に捕集されていることは証明されておりません。
また、実際の焼却施設で、測定時のような理想的状態で運転がなされている補償もなく、本年6月26日に新潟市秋葉区の新津クリーンセンターにおいて、バグフィルターに穴が開いたという事故がそれを立証しています。これにより、少なくつも2カ月間は排煙はそのまま大気中にばら撒かれていたことになります。このようなことは、どこでも起こりうることです。
仮に99.9%捕集されていたとしても、0.1%が環境中へセシウムが漏出していることに変わりはありません。多摩地区の処理量4000tに含まれる5億32百万Bqのセシウムのたとえ0.1%であっても53万2千ベクレルのセシウムがばら撒かれることになります。
先日、都内の焼却施設において、排ガスにアスベストが確認されたことは記憶に新しいところです。その時の測定値は、世田谷工場1号炉で4億3000万本/日、 江戸川工場2号炉で114000万本/日、光が丘工場1号炉で1億9500万本/日と、大変な総量が排出されています。ロックウール、グラスウールの繊維に至っては、光が丘工場でアスベストの2000倍もの本数が確認されております。
阪神大震災のがれき処理では、実際に2カ月従事した作業員が、アスベストによる中皮腫で労災認定を受け、その後死亡しています。がれきアスベストによる中皮腫で死亡した人はこの他にも1人いたことも確認されております。
さらに、がれきには、六価クロム、ヒ素、ダイオキシンなどたくさんの有害物質が入ってることも忘れてはなりません。
以上のような有害物質も含めて、八王子市として、事前に何も調べずに、市民の健康に責任を持つと言われるおつもりでしょうか?
 


6 エコセメント施設について
エコセント化施設での詳細な処理の過程は、東京たま広域資源循環組合(℡042-385-5947)へお問い合わせください。
アスベストほか有害物質については、本市で測定をする予定です。

最後に、本市としても女川町を訪れ、被害状況や災害廃棄物の分別・搬出方法を確認してきました。仮置き場に積まれた災害廃棄物は、月日が経つにつれ腐敗が進んでいました。単なるごみではなく町民の方にとって大切な思い出でもある災害廃棄物広域処理の依頼を他の自治体にしたところ、放射能汚染された安全でないごみは受入れられないと断られたとしたら女川町民の方々の気持ちはどれほど辛いものでしょうか。

6のうち以上について
⇒すでに、説明したとおり、県内処理が十分可能な量であるにもかかわらず、個人的感情論で市政に当たられることは大変残念なことです。
安全でないゴミを受け入れないのは当然のことです。


市民のみなさんの健康や安全を守ることは大原則であると考えています。その上で、市内のごみ処理に余裕がある時期に、安全が確認できた災害廃棄物を受入れ、できる範囲ではありますが被災地の復興支援に協力をしていきたいと思っています。

6のうち以上について
⇒市民の健康と安全を守ることを、市として実際に実施されているのでしょうか。安全が確認されたと言っているのは、環境省であって、それにただ盲従しているだけで、自治体の行政として主体的に調査し、確認をされているとは、到底かんがえられません。


受入れ反対のご意見も真摯に受け止めさせていただきますが、引き続き放射線量等を測定し、情報公開しながら慎重に受入れ準備を進めていきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

6のうち以上について
⇒放射線量を測ってもなにも意味がありません。がれきの中に含まれている放射性物質そのものは、距離を置いて測って見地出来なくても存在しないという確認にはならないからです。
火照った炭火が中にあっても、がれきで覆われた外側から、温度を測って、大気温とほとんど同じだから、危険ではないと言っているのと同じです。


その他

なお、前回の回答のうち以下の点について、間違った説明がなされておりますので、この点について再度ご説明いただけますでしょうか。

なお、焼却においては、850以上の高温の炎の中で揮発したり、小さな液粒となって排ガスと一緒に流れていくものと、燃え残りの灰に残るものに分かれますが、放射性セシウムは、沸点1,300、融点646であり、排ガス中の揮発した放射性セシウムは、煙道で冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは主に固体状態になりばいじんに凝集、吸着します。ばいじんに吸着した放射性セシウムは、バグフィルターでほぼ完全に除去、捕集されますので、大気中に拡散することはないと考えています。

以上について

放射性セシウムは融点が28.4℃、沸点が671℃。常温で液体の金属です。850以上では、気体になっていると考えられますが、バグフィルター部分で200300℃になったとしても、液体と気体(常温の空気に水分が含まれるのと同様、沸点以下の温度でも、一部は気体)として存在していることになります。これが、バグフィルターで完全に除去できるという話しは信じがたいものです。融点646℃というのは、塩化セシウムになった場合の話しではないかと思われますが、全ての放射性セシウムが塩化物となっているという証拠は確認されているのでしょうか?一部気体として存在するセシウムは、バグフィルターを通過しないのでしょうか?お答えを頂きたいと思います。



《問合せ先》八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
担当   岡田・小山
電話   042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail  b111200@city.hachioji.tokyo.jp  




                       以上



2012年9月7日金曜日

八王子市から来た、女川がれき受け入れに関する再質問への回答



                        平成24年9月7日
〇〇 〇〇 様

                     八王子市長 石森 孝志

再度ご質問をいただきました内容について、下記のとおり回答いたします。

             記

1 受入れ計画の見直しについての回答
 平成24年5月には、解体が必要な被災家屋等の見込みが明らかになったことや、相当量災害廃棄物が海に流出したこと、その引き上げ量の見込みが立ったことなどから、これまでの災害廃棄物の推計量が見直され、宮城県の広域処理希望量は127万トンとなりました。そのうち女川町の広域処理依頼量は10万トンから6万1千トンになっています。
被災地である女川町では、平地がほとんどなく、仮置場も民間が管理する土地を利用していることから、災害廃棄物処理をしなければ本当の意味での復興はされないものと認識しており、広域処理希望量が減りはしましたが、依然として広域処理は必要であると考えています。

2 災害廃棄物の受入れについて
 今回のこの震災により被災地では、一日も早い復興を果たし、少しでも元通りの生活を取り戻したいと思っていることから、本市では、同じ日本人として人道的支援をしていきます。

3 排ガス処理装置の性能について
 本市としての実証実験はしておりません。
島田市の試験焼却データについては環境省が見解を出しています。
バグフィルターの性能については、環境省の第十三回災害廃棄物安全評価検討会で出された※資料4で示されていますし、既に災害廃棄物の受入れを実施している二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えております。
  ※この資料については、環境省のホームページの
http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/13-mat_4.pdf
  でご覧いただけます。

4 清掃工場が処理することについて
 本市においては、今まで想定がされていなかった今回の原子力発電所の事故により、放射性物質の拡散があったと認識はしております。また、いろいろな論述がある中で、基準等については、国が示した基準に従い判断をしています。
バグフィルターでほぼ放射性物質が捕集され、その灰を処理していきますので、清掃工場から拡散するということではなく、清掃工場で捕集しているという考えでいます。

5 バグフィルターの有効性について
二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で既に災害廃棄物の受入れを実施しており、排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えています。 
なお、バグフィルターで直接放射性物質を捕集するというより、放射性物質が灰や活性炭に吸着しそれらと一緒に捕集されると考えています。工場でのバグフィルターの交換時には、最初にある程度目詰まりをさせるため、珪藻土を吹き付ける処理をしています。

6 エコセメント施設について
エコセント化施設での詳細な処理の過程は、東京たま広域資源循環組合(℡042-385-5947)へお問い合わせください。
アスベストほか有害物質については、本市で測定をする予定です。

最後に、本市としても女川町を訪れ、被害状況や災害廃棄物の分別・搬出方法を確認してきました。仮置き場に積まれた災害廃棄物は、月日が経つにつれ腐敗が進んでいました。単なるごみではなく町民の方にとって大切な思い出でもある災害廃棄物広域処理の依頼を他の自治体にしたところ、放射能汚染された安全でないごみは受入れられないと断られたとしたら女川町民の方々の気持ちはどれほど辛いものでしょうか。
市民のみなさんの健康や安全を守ることは大原則であると考えています。その上で、市内のごみ処理に余裕がある時期に、安全が確認できた災害廃棄物を受入れ、できる範囲ではありますが被災地の復興支援に協力をしていきたいと思っています。
受入れ反対のご意見も真摯に受け止めさせていただきますが、引き続き放射線量等を測定し、情報公開しながら慎重に受入れ準備を進めていきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
担当   岡田・小山
電話   042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail  b111200@city.hachioji.tokyo.jp


2012年9月4日火曜日

八王子市HPの市政への提言へ、がれき焼却に対する抗議を


昨日の新聞報道で、女川がれき500トン を、来年の1、2月に戸吹清掃工場で焼却と ありました。

女川は、八王子より遥かに高く放射能汚染されております。1キロ100ベクレルのがれきであれば、放射性セシウムだけでも総量5千万ベクレルが、冬の季節風に乗って市内方面にまき散らされます。これにより放射能に よ
る治療不可能な健康被害が引き起こされる懸念は大きものがあります。

そもそも、石巻地区のがれきは、昨年、鹿島JVに全量発注されていたもので、契約後にわざわざ、費用をかけて、遠方に持ってくることに、正当性はありません。また、法律にも抵触します。

さらに、今年になってから、宮城県の見直しにより、がれきの量は半減しており、十分域内での処理が可能です。がれきは去年の段階で、仮置き場に移されており、広域処理しないと復興出来ないというのも大ウソです。

放射性物質は、拡散させないというのが、国際的な取り決めであり、常識です。これを無視し、市民の健康を犠牲にして、正当でないがれきの広域処理を推し進めることについて、市長としてどうお考えでしょうか。

私は、がれきを八王子市で焼却処理すること に反対です。強く抗議します。

2012年8月12日日曜日

「女川がれきの受け入れ焼却について」について、八王子市へ再質問


平成24年8月11日
八王子市長 石森 孝志 殿

                                         八王子市 ○○ ○○



「女川がれきの受け入れ焼却について」について、ご回答頂きましてありがとうございました。回答内容の各部分について、それぞれについて再質問をさせて頂きます。

                            記

昨年の東日本大震災の発生以来、被災地では1年が経った今も災害廃棄物の処理が進まず復興の大きな障害となっています。また、地元宮城県女川町からは、一日も早い復興をするために可燃性の災害廃棄物の広域処理を要請されています。

以上について
すでに、宮城県は、再調査の結果、県外処理の広域処理希望量は当初の124.8万トンから27.9万トンへ、がれき量は東京都が受け入れを一方的に決めた時とくらべ、大幅な減となりました。県内における処理にも余裕ができ、外部に委託する必要がなくなったと認識しておりますが、なぜ、東京都は受け入れ計画を見直さないのでしょうか。東京都が見直さないのであれば、独立した自治体である八王子市として、見直しを提言しないのでしょうか。八王子市は都の奴隷ではないはずです。必要性のない政策に唯々諾々と従うのは、地方自治を放棄することではないでしょうか。
なお、すでに女川町ではガレキのほとんどが撤去され、仮置き場に搬入済み。生活圏内にガレキの山は見られない状態です。


東京都市長会では、この依頼に基づき広域処理を実施するもので、平成23年7月には、多摩地域の総意として被災地の災害廃棄物の受入れを決定し、同年11月に東京都市長会、宮城県女川町、東京都及び宮城県の4者間で基本合意を締結しており、本市を含め東京都では、被災地の支援をしていきます。

以上について、
多摩地区の総意と言われますが、手続的にも、道義的にも住民の意見を十分反映しているとは言えない非民主的な決定であり、受け入れることはできません。


さて、東京電力福島第一原発事故由来の放射性物質汚染による諸問題では、京都の五山送り火や静岡県島田市等いろいろな報道がされています。
五山送り火など焼却設備なく薪を燃やすことは、セシウムなどの放射性物質を捕集できず、拡散の恐れはあるやもしれませんが、国が示しているガイドラインでは、排ガス処理装置としてバグフィルター及び排ガス吸着能力を有している施設では焼却可能としており、十分な排ガス設備のある施設では安全な焼却ができると考えています。

以上について、
バグフィルターは放射性物質を吸着する保証はありません。嘘だと思うのであれば、バグフィルターメーカに直接調査をされてはいかがでしょうか。バグフィルターは放射性物質を99.9%吸着する保証はないと、メーカ自身が認めております。ちなみに、島田市における除去率は、物質収支から算出されたCs137の除去率=65%、排ガス分析から算出されたCs137の除去率=53~62%と言われております。市として確認をされたのでしょうか?これは、市民の健康、命に係る問題であり、聞きかじりの情報で判断されるのは困ります。ぜひ、八王子市として独自に実証をするべきではないでしょうか。


また、焼却試験の結果からは、女川町の災害廃棄物は多摩地区の家庭から排出されるごみと同レベルであること、こちらに搬出される災害廃棄物自身の放射能濃度測定の結果からも、平成24年4月に改正された厚生労働省が示す食品中の放射性物質の基準100Bq/kgよりも低い値のものが搬入されており、安全であると認識しています。

以上について
すでに、多摩地区における一般ごみの放射性物質濃度は低下していると思いますが、現在の測定値はどうなっているでしょうか?また、多摩地区ごみと同レベルだからいくら受け入れても構わないということは、どうせ汚れているのだから、もっと汚しても問題ないという意味にとれますが、おかしくはありませんでしょうか?さらに、食品の基準について引き合いに出されておりますが、この100Bq/Kg自体がとても受け入れ難く高い値であり(ドイツにおける目安は大人8Bq/Kg子ども4Bq/Kgです)、事故前であれば、100Bq/Kgを超えるものは放射性廃棄物とされ、核関連施設では、ドラム缶に詰めて厳重に管理されていた値です。原子力規制法で放射性廃棄物として管理しなければならないレベルの基準値を食品の安全基準とすること自体国民の命と健康を蔑にする愚かな政策だと考えます。また、そのような基準値と比較して、低いから安全という認識がどこから出てくるのでしょうか、八王子市としてのご見解をお願いします。
さらに、がれきの放射能を濃度で議論することには、まったく意味がありません。放射能は、薄めても、焼いても消滅しません。いくら薄めても、焼却時に周囲にばら撒かれ、また灰に残留する放射性物質の総量はかわることはありません。濃度で安全かどうかを議論しても意味はありません。放射性物質の総量でどれらけの量が、ゴミ焼却場からばら撒かれるかが問題で、少しずつ出せば瞬間での濃度は低くなり、一気に出せば瞬間での濃度が低くなるにすぎません。濃度を測って低いから安全ですという、いたって非科学的な方法で安全管理ができるという論拠についても納得できるご説明をお願い致します。


なお、焼却においては、850℃以上の高温の炎の中で揮発したり、小さな液粒となって排ガスと一緒に流れていくものと、燃え残りの灰に残るものに分かれますが、放射性セシウムは、沸点1,300℃、融点646℃であり、排ガス中の揮発した放射性セシウムは、煙道で冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは主に固体状態になりばいじんに凝集、吸着します。ばいじんに吸着した放射性セシウムは、バグフィルターでほぼ完全に除去、捕集されますので、大気中に拡散することはないと考えています。

以上について
それでは、バグフィルターの後に、ガス状のセシウムは0、微粒子としてバグフィルターを通過したものも0であるという根拠になる科学的な資料を提示し頂けませんでしょうか。環境省ががれきの広域処理について設置した検討会資料は、4回目以降が非公開となっており、密室の中で議論された根拠について、そのまま信用することはできません。バグフィルターは、布でできており、新品の時は、かなりの粒子状物質をも通過させてしまいます。一定時間使用して、目詰まりをしてきてやっとある程度の粒子の補足効果がみられる訳ですが、放射性物質を除去するために開発されたものではありませんので、常に99.9%。補足可能であるという科学的な説明資料は示されておりません。事実、上述したように、島田市の測定例でも、相当量の漏えいが見られています。


また、焼却灰は、二ツ塚最終処分場のエコセメント化施設でエコセメントの原料となります。こちらの施設においても、放射能濃度測定を実施しており、エコセメント製品の測定結果は、すべて不検出となっています。
本市は、風評に惑わされることなく、十分な安全策を講じながら処理を進めることで、被災地の復興を支援していきたいと考えていますので、皆様のご理解ご協力をよろしくお願いします。

以上について
焼却灰では、環境省の考え方によれば主灰と飛灰にほぼ半々に放射性物質が移行し、飛灰では、がれきの濃度の33.3倍の濃度に濃縮されるといわれます。したがって、想定される飛灰の濃度は女川のがれきの測定値が133Bq/kgであったことから、約4000Bq/kgになります。これが、エコセメントにされた場合、なぜ不検出になるのか、その機構、理由を分かりやすくご説明をされるようお願い致します。風評と言うのは、実害がないのに、噂等によって生じる被害です。現在は明らかに有害な放射性物質が焼却によって拡散されており、実害と言える状態です、風評と言われる論拠を具体的にお示し頂けないでしょうか。放射能は目に見えません、その影響も発言するまでに時間がかかったり、遺伝子異常のようにすぐに目に見えるものになりませんが、だからといって、全く被害は起こらないとなぜ言いきることができるのでしょうか?さらに、がれきには放射性物質だけでなく、アスベスト、ダイオキシン、ヒ素や六価クロムなどさまざまな有害物質が入っていることは、環境大臣も埋め立てに利用出来ないくらい危険であると認めておられます。この点について、市長として絶対安全であると言い切れる根拠はどこにあるのかお示し頂きたいと存じます。
以上、ご回答頂けますようお願い申し上げます。




《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
担当   岡田・小山
電話   042-620-7256
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2012年8月11日土曜日

「女川がれきの受け入れについて」八王子市からの回答


平成24年7月23
     様


八王子市長 石森 孝志



日頃より市政にご協力をいただきありがとうございます。
いただきました「女川がれきの受け入れ焼却について」について、下記のとおり回答します。


昨年の東日本大震災の発生以来、被災地では1年が経った今も災害廃棄物の処理が進まず復興の大きな障害となっています。
地元宮城県女川町からは、一日も早い復興をするために可燃性の災害廃棄物の広域処理を要請されています。
また、東京都市長会では、この依頼に基づき広域処理を実施するもので、平成237月には、多摩地域の総意として被災地の災害廃棄物の受入れを決定し、同年11月に東京都市長会、宮城県女川町、東京都及び宮城県の4者間で基本合意を締結しており、本市を含め東京都では、被災地の支援をしていきます。

さて、東京電力福島第一原発事故由来の放射性物質汚染による諸問題では、京都の五山送り火や静岡県島田市等いろいろな報道がされています。
五山送り火など焼却設備なく薪を燃やすことは、セシウムなどの放射性物質を捕集できず、拡散の恐れはあるやもしれませんが、国が示しているガイドラインでは、排ガス処理装置としてバグフィルター及び排ガス吸着能力を有している施設では焼却可能としており、十分な排ガス設備のある施設では安全な焼却ができると考えています。
また、焼却試験の結果からは、女川町の災害廃棄物は多摩地区の家庭から排出されるごみと同レベルであること、こちらに搬出される災害廃棄物自身の放射能濃度測定の結果からも、平成244月に改正された厚生労働省が示す食品中の放射性物質の基準100Bq/kgよりも低い値のものが搬入されており、安全であると認識しています。
なお、焼却においては、850℃以上の高温の炎の中で揮発したり、小さな液粒となって排ガスと一緒に流れていくものと、燃え残りの灰に残るものに分かれますが、放射性セシウムは、沸点1,300℃、融点646℃であり、排ガス中の揮発した放射性セシウムは、煙道で冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは主に固体状態になりばいじんに凝集、吸着します。ばいじんに吸着した放射性セシウムは、バグフィルターでほぼ完全に除去、捕集されますので、大気中に拡散することはないと考えています。
また、焼却灰は、二ツ塚最終処分場のエコセメント化施設でエコセメントの原料となります。こちらの施設においても、放射能濃度測定を実施しており、エコセメント製品の測定結果は、すべて不検出となっています。
本市は、風評に惑わされることなく、十分な安全策を講じながら処理を進めることで、被災地の復興を支援していきたいと考えていますので、皆様のご理解ご協力をよろしくお願いします。



《問合せ先》
八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
担当   岡田・小山
電話   042-620-7256
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<そこが聞きたい>低線量被ばくの影響 ECRR委員長 インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏


 東京電力福島第1原発事故後、低線量被ばくや内部被ばくへの関心が高まっている。健康影響をどう考えるべきか。約30年前に原爆被爆者のデータを分析し、リスクを指摘したインゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ博士に聞いた。【聞き手・須田桃子、写真・木葉健二】

 ◇健康リスク無視するな--インゲ・シュミッツ・フォイエルハーケ氏(76)

 --放射線影響研究所(放影研)が実施した原爆被爆者の健康リスク調査に対し、83年に批判する論文を出しました。どんな研究だったのですか。

 ◆放影研の調査は、直接被爆者の健康リスクを入市被爆者(原爆投下後に爆心地に入った人)や遠距離被爆者と比べていた。そこで私は日本人のがんなどの平均的な発症率や死亡率と比較し、入市被爆者や爆心地から2・5キロ以上離れた所にいた遠距離被爆者の相対的なリスクを求めた。その結果、白血病や呼吸器系・消化器系のがんによる死亡率は全国平均を上回り、発症率は甲状腺がん、白血病、女性の乳がんで1・5~4・1倍だった。放射性降下物(黒い雨、死の灰など)による内部被ばくの影響が大きいことを示す結果だが、当時の学界の常識とは異なっていたため、国際的な医学雑誌に論文を投稿したところ、いったん掲載を拒否された。その後、編集部から提案を受け、論文ではなく編集者への手紙という形で掲載された。

 --放影研による原爆被爆者の研究は、国際放射線防護委員会(ICRP)による放射線の健康リスク評価の基礎データになっています。

 ◆確かに、放影研の調査は重要な情報だ。しかし、原爆投下から最初の5年間のデータが欠けている▽心身が傷つき適切な医療を受けられなくても生き残った「選ばれた人々」のデータである▽原爆投下後の残留放射線を無視している--などの理由で、限定的な情報でもある。一方でこの数十年間、原子力施設の事故や原発労働者、医療用X線照射、自然放射線などに関して、さまざまな研究で低線量被ばくの健康影響が裏付けられてきた。だが、そうした研究の多くは広島・長崎のデータと矛盾することを理由に無視されてきた。ICRPのリスク評価は特に、長期間受け続ける低線量被ばくの影響を過小評価しており、がん以外の病気への意識も欠けている。

 --日本の原爆症認定を巡る集団訴訟では残留放射線による内部被ばくで健康被害を受けたと訴えた原告側が勝訴してきました。しかし、国は「内部被ばくの影響は無視できる」という従来の主張を変えていません。

 ◆多くの国で同様のことが起きている。公の機関が内部被ばくを認めれば、原発労働者の健康リスクに対して責任を認めざるを得ないからだ。原発労働者は、福島で被ばくした人々と同じ問題を抱えている。

 --東京電力福島第1原発事故後、日本では政治家や一部の専門家が「100ミリシーベルト以下の被ばくはほとんど影響がない」などと説明してきました。

 ◆これまでの医学的知見を全く無視した説明だ。100ミリシーベルトを下回る線量でのがんの発症は既に医学誌などで報告されている。放射線は細胞の突然変異を促進させ、これ以下なら安全という線量の「しきい値」は存在しない。予防原則に立って被ばくを低減させる対策が必要だ。

 ◇「線量」市民が把握を

 --放射能への不安から来るストレスのほうが放射線そのものによる健康リスクを上回るという意見や、過剰な反応による経済活動への影響を心配する声もあります。

 ◆騒ぐことのリスクが放射線による健康リスクを上回るという説明は、常になされている。ドイツでもチェルノブイリ原発事故後、同じ主張が展開されたが、科学的根拠のない主張だ。経済活動よりも、これから生まれる子どもを含めた市民の健康こそ、最も大事なことではないだろうか。もちろん、何も分からずに騒ぐのはよくない。環境中や食品の放射線量、個々の被ばく線量をきちんと測定し、それが何を意味するかを市民自らが知ろうとすることが大事だ。

 --福島事故後の日本政府の対応をどう評価しますか。

 ◆福島第1原発の半径20キロ圏内を警戒区域に指定したことは評価している。避難区域の設定で年間20ミリシーベルトを目安としたことも、大規模な原発事故に準備のなかった政府の選択として理解できなくはない。だが現在、他の原発を再稼働させ、意識を「復興」に切り替えようとしていることは、国民に対して非常に無責任ではないか。

 広島・長崎の原爆、あるいは過去の大気圏核実験では、まき散らされた放射性物質の総量が明確だ。しかし福島の場合、正確な放出量が今もって分からない。質・量ともに原爆をはるかに上回る核燃料が無防備な状態で存在し、今後安全に回収できるかも不明だ。事故直後より大幅に少ないとはいえ、放射性物質の放出も続いている。事実の深刻さを認識すべきだ。

………………………………………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇欧州放射線リスク委員会(ECRR)

 国際放射線防護委員会(ICRP)や国連科学委員会、各国の政府から独立し、放射線被ばくによる健康影響を科学的に評価することなどを目的に97年に設立された市民団体。03年と10年にリスク評価の方法などを示す勧告を発表している。本部はベルギー・ブリュッセル。

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 ■人物略歴

 ◇Inge Schmitz‐Feuerhake

 1935年、ドイツ・ニーダーザクセン州生まれ。ブレーメン大で実験物理の教授として放射線の健康影響を研究。市民団体「ドイツ放射線防護協会」創設メンバー。04年からECRR委員長。

最終更新:8月9日(木)16時55分 毎日新聞社 より

2012年7月18日水曜日

八王子市における女川がれきの受け入れについて


日頃は、八王子市の市政にご尽力いただいております事を心より感謝申し上げます。

このたびは、1市民として、女川のがれき受け入れ、焼却処分について、抗議する旨を申し述べさせていただきます。

今年も、京都では、五山送り火で燃やす計画だった岩手県陸前高田市の被災マツの薪表皮の検体から1キログラム当たり1130ベクレルの放射性セシウムが検出されました。「大丈夫だと責任を持った見解は出せないと、専門家から言われた」(市長)ということから500本の薪は、使用を中止し、市内の業者倉庫にいったん保管し、処分方法を検討することとなりました。

岩手県でさえこのような汚染が未だに見られるわけですが、女川町は、原発事故の際の放射能プルームにより、最大21μSv/hを記録したと言われており、さらに強く汚染されております。ここの瓦礫が安全であるという保証はありません。

ちなみに、東京都ががれき受け入れを決定する際に、女川町が現地で行った試験結果によれば、がれきの放射能濃度は、133Bq/kgとなっています。がれきとして様々なものが混合した状態でこれほどの値を示しているということは、がれきの中に、その数十倍も汚染された廃棄物が含まれているということになります。

また、7月5日モーニングバードにTV出演された細野環境大臣は、放射性物質の他にもヒ素やクロムといった猛毒物質が入っている。がれきを盛り土として使うことができないほど含まれていることを表明されています。

東京都では、これを一般ごみと混ぜて焼却することにし、その際の焼却灰の濃度や排出ガスの濃度を測定して、安全だとしていますが、問題は、運び込まれ、あるいは、ガスや焼却灰として環境中にばら撒かれる放射性物質の総量です。そのまま焼却しようが、10倍に薄めて焼却しようが、そこに残されるあるいは排出される放射性物質の総量は変化しません。運び込んだがれきに含まれる放射性物質の総量だけがこの地に残り、ばら撒かれることになります。

女川の場合、震災がれきで133Bq/kgという測定値がありますから、10万トンも東京に持ってくると、13億3千万Bqという莫大な量の放射性セシウムを東京がかぶることになります。

島田市の焼却試験結果からは、最大40%が焼却施設から漏れていたことが知られており、その割合で考えれば、5億3千2百万Bqもの放射性セシウムが大気中にばら撒かれます。このようなことは到底許容できることでありません。

多摩地区で引き受けるとされた4000トンでも、5億32百万Bqものセシウムを焼却場で処理することになり、その影響は甚大です。薄めて焼却するため、濃度や放射線量を監視しても、大きな変化は出ない恐れがあり、たとえ感知されなくても、放射性物質は、焼却によって無くなるわけではありません。確実に、受け入れた量だけ灰や環境中に残ることになります。

焼却灰についても、日の出の処分場に埋めたてられると聞きますが、数千Bq/kgの放射性廃棄物を自治体が管理することは、これまでの放射能対策の考え方からすれば、許容されるものではありません。放射能は、発生源から拡散させないことが大原則であります。

以上より、これからでも、速やかにがれき受け入れを中止されるよう、お願いいたしたく、強く申し入れます。



八王子市当局、その他、HP等において、がれき処理に触れておられる市会議員数名にメールを差し上げたところ、
陣内議員からご返答を頂きました。ありがとうございました。


ご連絡ありがとうございます。
震災がれきの受け入れについては、反対の立場から
議会でも取り上げているのですが、
なかなか大きな声になっていかないのが、現状です。

八王子の場合は、
受け入れる場合、来年の一月以降になる予定との事で、これから 住民説明会、
地元説明会等があります。

多くの市民の声が反映されるといいと思います。

先日のタウンミーティングでは、
うけいれるのが当然、日本人だから、と言う発言があり、

がれき問題の基本的問題点が、多くの人に理解されていないことを感じています。

これからもよろしくお願いいたします。

陣内 やすこ