2012年9月15日土曜日

八王子市がれき処理/市からの再質問回答に対する再々質問


                           
八王子市長 石森 孝志 殿
  
                           八王子市
    ○○○○ 


再度ご質問につきました、ご回答を頂きまして大変ありがとうございました。

なお、更に疑問点が多く出てまいりましたので、下記の通り、もう一度質問をさせて頂きますので、ご回答頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。


1 受入れ計画の見直しについての回答
 平成245月には、解体が必要な被災家屋等の見込みが明らかになったことや、相当量災害廃棄物が海に流出したこと、その引き上げ量の見込みが立ったことなどから、これまでの災害廃棄物の推計量が見直され、宮城県の広域処理希望量は127万トンとなりました。そのうち女川町の広域処理依頼量は10万トンから61千トンになっています。
被災地である女川町では、平地がほとんどなく、仮置場も民間が管理する土地を利用していることから、災害廃棄物処理をしなければ本当の意味での復興はされないものと認識しており、広域処理希望量が減りはしましたが、依然として広域処理は必要であると考えています。

1について
【宮城県のがれき処理契約は二重契約となっている】
 まず、当初東京都が受け入れの基本協定を締結した2011年11月24日には、すでに女川町のがれきは、全量が鹿島JVに業務委託されており、本来は東京に持ってくる分は無かったということ、その後発注済みのがれきについて実施した受け入れ契約は、不法な二重契約に当たる恐れがあるという点について、確認して頂きたいと存じます。

【がれき処理量の見直しで広域処理は不要化】
 また、宮城県全体としては、当初の685.4万tが見直しで312万tとなりました。そもそも当初の広域処理の必要性は、がれきを2年間で処理をするため、8割を地元、2割を広域処理と言うものでした。県内で685万tの8割の548万tは県内処理が可能とされていたわけですから、見直しにより312万tとなったことで、広域処理を無くしても十分県内処理は可能でとなりました。おまけに、宮城県内には、当初の計画で作られた仮設焼却施設が29も稼働しており、一日あたりの処理能力が4495tとされる。このため仙台市は来年五月までに処理を終え、石巻の10万トン分を受け入れる余裕があると表明しています。
ご承知の通り、宮城県議会においても県内処理が可能であり、県内処理すべきであるとの議論があったところです。
このような状況下で、あえて広域処理分のがれきを無理やり残して、地元処理の3倍ものコストをかけて東京へ運搬し処理する必要性自体が無くなったと考えられます。その結果、地元の雇用すら十分に確保できない状況になっており、とても人道支援とは言えない状況です。

【がれき処理の遅れが復興の遅れというのはまちがい】
女川のがれきは、とっくに仮置き場に搬入され、復興の遅れの原因は、がれきではありません。復興庁の発足が1年後になるなど、政治のリーダーシップのなさを、がれきに転嫁しているだけです。女川町にあっては、現在まだ、都市計画変更、土地区画整理事業の手続き中であると認識しており、がれきが理由で復興が遅れているわけではないと考えられます。

以上の事実より、なぜ「広域処理希望量が減りはしましたが、依然として広域処理は必要であると考えています。」という結論に達するのか、納得のいく説明をお願いします。

(参考:ガレキ処理より必要なこと【女川町の場合】日刊スパ http://nikkan-spa.jp/177582 )
(震災1年半、防潮堤進まぬ再整備 着工距離14% 産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120909/dst12090900300000-n1.htm )
(がれき処理地元雇用 目標の4割弱 NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120909/t10014891411000.html )




2 災害廃棄物の受入れについて
 今回のこの震災により被災地では、一日も早い復興を果たし、少しでも元通りの生活を取り戻したいと思っていることから、本市では、同じ日本人として人道的支援をしていきます。


2について


福島原発事故によって発生した放射性廃棄物は、すべて第一義的な責任者である東電が引き取るべきものです。責任の所在を曖昧にし、安易に汚染瓦礫を引き受けることは、今後、放射性廃棄物が全国に拡散される前例となりかねません。
放射性物質を含む廃棄物は、国際合意に基づいて管理すべきであり、IAEAの基本原則でさえ、拡散を防止して集中管理をするべきです。
福島では、今現在、多くの住民が、放射線管理区域に相当する環境に暮らしています。年間1ミリシールトを超える場合、放射線の影響が人体に及ぶことは世界中の研究者が認めているところで、20ミリシーベルトまで安全という、誤った基準を国家が自ら作り、国民の安全は脅かされている状況にあります。
また、放射能汚染された食品が、国の食べて応援という施策により、意図的に拡散されている状況下で、それらから受ける内部被爆も1ミリシールトまで問題ないとされ、フォールアウトによって汚染された環境からの放射線量も1ミリシーベルトまでOK、がれき受け入れでも1ミリシーベルトとまで安全だという具合に、足し算すべき基準値が意図的に悪用され、それぞれ別々に間違った安全論として流布されている異常状態にあります。
 あの、水俣病は、国の排出基準を守っている中で、起こった災禍です。微量の重金属が、環境中で濃縮され、食物連載によって人体へ及んだことで発生したものです。このとき、国は排出基準は濃度では不十分であり総量で考える必要があることを学んだはずではありませんか。
ところが、放射性物質でもまったく同じ過ちを繰り返そうとしています。特に今回、放射能については、もともとあった原子力規制法を無視し、焼却灰でいえば80倍、放射線量では20倍にまで基準値を緩和した上、総量を無視し、その基準値でいくらでも放射性物質を環境中に排出して問題ないという認識をしていることは、驚くべきことです。
 もともとごみ処理は自治体が主体的に行う行政です。国の言いなりになって、住民が将来、健康被害を受けることがあってはならないはずです。八王子市長として、放射能の安全性に対して本気で勉強をされた上で賢明な対処を頂きたいと切にお願いをいたします。







3 排ガス処理装置の性能について
 本市としての実証実験はしておりません。
島田市の試験焼却データについては環境省が見解を出しています。
バグフィルターの性能については、環境省の第十三回災害廃棄物安全評価検討会で出された※資料4で示されていますし、既に災害廃棄物の受入れを実施している二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えております。
  ※この資料については、環境省のホームページの
http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/13-mat_4.pdf
  でご覧いただけます。
 
 3について
本市で確認しないのに、安全と言い切るのは、如何なものでしょうか?すでに、多くの地域では、安全性の問題からがれき受け入れ反対の運動が起こり、あるいは、市町として安全が確認できないとの理由で、がれき受け入れを取りやめた市町も少なくありません。これだけの住民を擁する八王子市の対応として、いかにもお粗末なこととしか思われませんが、如何お考えでしょうか?
 放射性物質は、物質量が問題であって、濃度を測っても安全性についての何の判断材料にもなりません。放射性物質は、いくら薄めても消えることはありません。結局、全体として含まれている総量が、灰や大気汚染として外に排出または拡散されることはかわりません。



4 清掃工場が処理することについて
 本市においては、今まで想定がされていなかった今回の原子力発電所の事故により、放射性物質の拡散があったと認識はしております。また、いろいろな論述がある中で、基準等については、国が示した基準に従い判断をしています。
バグフィルターでほぼ放射性物質が捕集され、その灰を処理していきますので、清掃工場から拡散するということではなく、清掃工場で捕集しているという考えでいます。

4について
まず、発生源からがれきに付着した時点、そのがれきを広域拡散する時点、焼却によりわずかでも環境に排出される量があること、焼却灰を処分場に埋め立て、特に水に溶出しやすい飛灰のセシウムが、浸透水により漏出する可能性があることから、いずれも行為もすべて、放射能を拡散していることになると認識しております。





5 バグフィルターの有効性について
二十三区清掃一部事務組合及び一部多摩地域の清掃工場で既に災害廃棄物の受入れを実施しており、排ガスの放射能濃度測定を実施しておりますが、いずれも全て不検出となっており、災害廃棄物の処理支援は可能と考えています。 
なお、バグフィルターで直接放射性物質を捕集するというより、放射性物質が灰や活性炭に吸着しそれらと一緒に捕集されると考えています。工場でのバグフィルターの交換時には、最初にある程度目詰まりをさせるため、珪藻土を吹き付ける処理をしています。

5.について
当初、環境省がバグフィルターは99.99%セシウムを捕集すると言っていた時点では、明確な根拠となる事実は存在しなかったことは、環境省も認めており、今年になってやっと根拠と言われる資料を、あとづけで整備したのが実態だったと認識しております。つまり、ほとんど根拠のない数値をもとに、広域処理計画が進められてきたと言えます。環境省資料による実験結果は、99.9%台となっており、ややトーンが落ちています。この数値は、フィルター前後の排ガスを分析したものとされておりますが、完全な物質収支ではないことは、環境省も認めている通りです。つまりこの資料の説明によれば、厳密には、がれきに含まれているセシウムの99・9%が確実に捕集されていることは証明されておりません。
また、実際の焼却施設で、測定時のような理想的状態で運転がなされている補償もなく、本年6月26日に新潟市秋葉区の新津クリーンセンターにおいて、バグフィルターに穴が開いたという事故がそれを立証しています。これにより、少なくつも2カ月間は排煙はそのまま大気中にばら撒かれていたことになります。このようなことは、どこでも起こりうることです。
仮に99.9%捕集されていたとしても、0.1%が環境中へセシウムが漏出していることに変わりはありません。多摩地区の処理量4000tに含まれる5億32百万Bqのセシウムのたとえ0.1%であっても53万2千ベクレルのセシウムがばら撒かれることになります。
先日、都内の焼却施設において、排ガスにアスベストが確認されたことは記憶に新しいところです。その時の測定値は、世田谷工場1号炉で4億3000万本/日、 江戸川工場2号炉で114000万本/日、光が丘工場1号炉で1億9500万本/日と、大変な総量が排出されています。ロックウール、グラスウールの繊維に至っては、光が丘工場でアスベストの2000倍もの本数が確認されております。
阪神大震災のがれき処理では、実際に2カ月従事した作業員が、アスベストによる中皮腫で労災認定を受け、その後死亡しています。がれきアスベストによる中皮腫で死亡した人はこの他にも1人いたことも確認されております。
さらに、がれきには、六価クロム、ヒ素、ダイオキシンなどたくさんの有害物質が入ってることも忘れてはなりません。
以上のような有害物質も含めて、八王子市として、事前に何も調べずに、市民の健康に責任を持つと言われるおつもりでしょうか?
 


6 エコセメント施設について
エコセント化施設での詳細な処理の過程は、東京たま広域資源循環組合(℡042-385-5947)へお問い合わせください。
アスベストほか有害物質については、本市で測定をする予定です。

最後に、本市としても女川町を訪れ、被害状況や災害廃棄物の分別・搬出方法を確認してきました。仮置き場に積まれた災害廃棄物は、月日が経つにつれ腐敗が進んでいました。単なるごみではなく町民の方にとって大切な思い出でもある災害廃棄物広域処理の依頼を他の自治体にしたところ、放射能汚染された安全でないごみは受入れられないと断られたとしたら女川町民の方々の気持ちはどれほど辛いものでしょうか。

6のうち以上について
⇒すでに、説明したとおり、県内処理が十分可能な量であるにもかかわらず、個人的感情論で市政に当たられることは大変残念なことです。
安全でないゴミを受け入れないのは当然のことです。


市民のみなさんの健康や安全を守ることは大原則であると考えています。その上で、市内のごみ処理に余裕がある時期に、安全が確認できた災害廃棄物を受入れ、できる範囲ではありますが被災地の復興支援に協力をしていきたいと思っています。

6のうち以上について
⇒市民の健康と安全を守ることを、市として実際に実施されているのでしょうか。安全が確認されたと言っているのは、環境省であって、それにただ盲従しているだけで、自治体の行政として主体的に調査し、確認をされているとは、到底かんがえられません。


受入れ反対のご意見も真摯に受け止めさせていただきますが、引き続き放射線量等を測定し、情報公開しながら慎重に受入れ準備を進めていきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

6のうち以上について
⇒放射線量を測ってもなにも意味がありません。がれきの中に含まれている放射性物質そのものは、距離を置いて測って見地出来なくても存在しないという確認にはならないからです。
火照った炭火が中にあっても、がれきで覆われた外側から、温度を測って、大気温とほとんど同じだから、危険ではないと言っているのと同じです。


その他

なお、前回の回答のうち以下の点について、間違った説明がなされておりますので、この点について再度ご説明いただけますでしょうか。

なお、焼却においては、850以上の高温の炎の中で揮発したり、小さな液粒となって排ガスと一緒に流れていくものと、燃え残りの灰に残るものに分かれますが、放射性セシウムは、沸点1,300、融点646であり、排ガス中の揮発した放射性セシウムは、煙道で冷やされて、気体状あるいは液状のセシウムは主に固体状態になりばいじんに凝集、吸着します。ばいじんに吸着した放射性セシウムは、バグフィルターでほぼ完全に除去、捕集されますので、大気中に拡散することはないと考えています。

以上について

放射性セシウムは融点が28.4℃、沸点が671℃。常温で液体の金属です。850以上では、気体になっていると考えられますが、バグフィルター部分で200300℃になったとしても、液体と気体(常温の空気に水分が含まれるのと同様、沸点以下の温度でも、一部は気体)として存在していることになります。これが、バグフィルターで完全に除去できるという話しは信じがたいものです。融点646℃というのは、塩化セシウムになった場合の話しではないかと思われますが、全ての放射性セシウムが塩化物となっているという証拠は確認されているのでしょうか?一部気体として存在するセシウムは、バグフィルターを通過しないのでしょうか?お答えを頂きたいと思います。



《問合せ先》八王子市 環境部 ごみ減量対策課
八王子市元本郷町三丁目24-1
担当   岡田・小山
電話   042-620-7256
FAX 042-626-4506
E-mail  b111200@city.hachioji.tokyo.jp  




                       以上



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