2013年1月27日日曜日

英語論文「福島第一原子力発電所の避難区域に置き去りにされた牛における人工放射性核種の分布」の概要和訳(平沼百合氏)


東北大加齢医学研究所の福本学教授らのチームによる、福島原発の20キロ圏内で置き去りにされた牛の内部被ばく研究の英語論文「福島第一原子力発電所の避難区域に置き去りにされた牛における人工放射性核種の分布」の概要和訳

日本語の新聞記事はこちら。 http://t.co/vqAVV5c0 http://t.co/VrWsmZZ9 余談ですが、この論文を英語発信し、自分でも読んでいる途中でガンダーセン氏から論文のリンクを送って来ました。今読んでると返事をすると、すぐさま返事が来て、


「子牛と胎児での蓄積が母牛よりも多かったのは,成長が激しい細胞により多く取り込まれるからだ。しかし、ストロンチウムも検査してくれれば良かったのに!」と言われてました。しばらくすると、カルディコット博士からもそれに同意するメールが。海外でもこの論文は注目されていると言う事です。

福島原発事故後、2011年4月22日付けで20キロ圏内には3400頭の牛、31500匹の豚と63万羽の鶏が残された。5月12日には政府から福島県に避難区域の家畜の安楽死の指示が出た。福島原発事故後の放射性セシウムによる慢性被ばくのリスク評価の重要さが研究者によって指摘されていた。

動物モデルの慢性的バイオアッセイが存在しない事も強調されていた。避難区域に残された家畜のほとんどは個別の識別番号によって見分ける事ができるため、放射性核種への慢性被ばくの評価のための動物モデルとして理想的だろうと考えた。


放射性核種の生物動力学と内部被ばくの線量評価の基本的な情報を得るために、牛の複数の臓器におけるγ線放出体の人工放射性核種を測定し、臓器特異性と代謝を調べた。

2011年8月29日から11月15日の間に、合計79頭の牛を捕獲した。そのうち27頭は南相馬市で、52頭は川内村で捕獲した。63頭はメスの牛(3頭は妊娠中)、10頭はオスの子牛で3頭はメスの子牛だった。

γ線スペクトル分析では、セシウム134と137、銀110m、テルル129mの光電ピークが見られた。(図S1)コントロールとして使われた北海道の牛からは、どのピークも見られなかった。 http://t.co/cOLIXGPg



表 1は各臓器のカウント数から計算された、この4つの放射性核種の濃度である。測定値は全て、大放出が起こった2011年3月15日に減衰補正された。ここ ではCs134とCs137を合わせてCs137と言及する。 http://t.co/GZmRV2Ba




Cs137は筋肉組織での濃度が一番高かった。胸最長筋、大腿2頭筋と咬筋でのCs137濃度には統計学的差がなかったので、この3つをまとめて「骨格筋」と分類した。

回帰分析によると、末梢血液と臓器のCs137濃度の間には線形相関が見られた(図1)ので、臓器内の放射性セシウム濃度は血中濃度から推定できる事が示された。 http://t.co/F8UW7S99




牛は捕獲された区画によって3グループに分けられた。区画1と3は福島原発北の南相馬市で、区画2は南西の川内村だった。区画1の牛は原発事故後に畜舎の中に置かれ、放射性核種汚染がない牧草と放射性汚染がある雨水を与えられた。区画2と3の牛は放牧され、事故後に汚染された草を自由に食べた。

表S2は、区画ごとの、牛の臓器内におかるCs134とCs137濃度を示した。区画1と3は同じ市内であったが、餌の条件が異なった。 http://t.co/V03xQiTZ


区画2と3の土壌のCs137濃度はほぼ同じであった(表S3)。血中のCs137濃度は区画3が最大で、区画1(汚染牧草を食べなかった)が最小であった。これは体内に蓄積した放射性核種の濃度は主に餌の状態と牧場の地理的状況に影響される事を示す。 http://t.co/rXI3vIVv


母 体から胎児への放射性核種の移行は内部被ばくに関しての最大の懸念のひとつである。捕獲された3頭の妊娠中の牛の、胎児と母牛の放射性セシウム濃度の比較 は図2Aに示され、胎児の方が母牛の1.19倍であった。 http://t.co/BtUNIEzo


子牛の臓器内Cs137蓄積量は母牛の該当臓器と相関関係にあるが、母牛よりも濃度が高い。新生児と成人における水と電解物質の代謝はかなり異なるはずであり、餌のカリウム配合量が放射性セシウム濃度に影響を与えるかもしれない。この子牛達が摂取していた母乳と牧草の割合についてのデータはない。

このデータでは、甲状腺のCs137蓄積濃度は他の内臓よりも低かった。バンダジェフスキーは、放射性セシウムの蓄積は内分泌器官、特に甲状腺に最大に見ら れたと報告している。人間と牛の種族間の違いを考慮しなくてはいけないが、放射性セシウムは甲状腺癌発生にあまり影響がないと思われる。

ウクライナの汚染区域の居住者では、膀胱の尿路上皮の慢性炎症と増殖的な異型細胞の発達が報告されている。この研究では、膀胱におけるCs137濃度が比較的高かった。肉眼で観察する限り、膀胱に異常は見られなかった。

銀110mは核分裂生成物でないが、安定同位体の銀109の電子捕獲によって生成される。銀110mは、胎児以外の牛の肝臓で検出された。銀110mとCs137の比率は、土壌で0.5%以下、草で5%以下であった(表S3)。 http://t.co/jX7HB8cf



チェルノブイリ事故後の羊の肝臓での銀110m蓄積量と肝臓への移行係数は、Cs137よりも大きかった。なので、銀110mの肝臓への移行係数は、 Cs137よりも高いことが示される。銀110mの血中濃度と肝臓での濃度に相関関係は見られなかった(論文内6ページ目の図3B)。

ラットとネズミにおいては、銀は主にリソソームに関連した組織(リンパ節、肝臓、腎臓や中枢神経)に蓄積する。また銀は肝臓のクッパー細胞に集中して蓄積する。よって、肝臓は、銀110m蓄積の主要なターゲット臓器であると結論づけられる。

測定が原発事故の7ヶ月後だったにも関わらず、牛の腎臓内でテルル129mが明らかに検出された。テルル129mの半減期は33.6日と比較的短いので、腎臓は、テルル129m蓄積のターゲット臓器であると結論づけられる。
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原発事故後、大量のテルル132が大気に放出された。最初はテルル129mよりも多くのテルル132が避難区域の土壌で見つかった。テルル129mが腎臓に蓄積されると言う事は、福島原発事故直後に、テルル132もまた腎臓に蓄積した事を示唆する。

テ ルル132の半減期は3.2日で甲状腺に向性を持つヨウ素132(半減期2.3時間)に崩壊する。別の研究では牛に経口投与された放射性テルルがどの組織よりも甲状腺に多く蓄積したと報告されている。ヨウ素131と同じくテルル132も甲状腺リスク評価で考慮されるべきだと言う事を示唆する。

現在、様々な種族を代表する組織バンクを作るために、避難区域内での牛を含む動物の組織をさらに収集している。まず最初に、動物に蓄積された放射性核種の線 量評価をするつもりである。電離性放射線の影響に直接関連づけられるであろう病巣を探すために、解剖された動物の顕微鏡検査も行われている。

この研究は、福島原発事故後の牛における様々なγ線放出核種の臓器特異的蓄積についての最初の報告であり、公共衛生と放射線安全の改善に貢献するはずである。以上。(論文内の全てのセクションを訳したのではありませんのでご了承ください)



牛の臓器別のセシウムの分布の表を見ると、舌、肺、そして検体が少数だが脳、乳腺、子宮、甲状腺でも検出されたのが分かる。銀110mは検査された47の肝臓の47から検出された。そして、半減期34日のテルル129mが事故後6ヶ月後にまだ腎臓内に。 http://t.co/octTYwfb



確かにテルル129mの放出量は桁違いに多かった。そしてこれは半減期が1570万年のヨウ素129になり、ヨウ素であるからおそらく甲状腺へ行くのだろう。テルル132はテルル129mよりも多く放出され、半減期3.2日でヨウ素132になる。 http://t.co/Ni6anng0



この表では、汚染された餌を食べてない牛のセシウムの蓄積場所と蓄積量が少なかったのが一目瞭然に分かる。しかし、汚染された餌を食べなかった牛でも汚染された雨水を飲んでいただろうし、汚染された空気を吸っていた。 http://t.co/Le48nnub


【訂正版】銀110mは核分裂生成物でないが、安定同位体の銀109の中性子捕獲によって生成される。銀110mは、胎児以外の牛の肝臓で検出された。銀110mとCs137の比率は、土壌で0.5%以下、草で5%以下であった(表S3)。 http://t.co/jX7HB8cf

汚染された餌を食べてなくても、セシウムが吸入とおそらく雨水から取り込まれ、骨格筋、心臓、肝臓、腎臓、肺、脾臓と子宮に蓄積された。南相馬市で捕獲された27頭の牛の中の何頭が畜舎内で汚染餌を食べなかったのか分からないが、1頭の牛の心臓のセシウムは川内村の放牧牛と同じ位の数値だった。

このひとつの心臓の検体の数値で、セシウムが心臓に溜まりやすいと言えるのかは分からない。汚染餌を食べた牛の心臓での蓄積量は最大ではない。しかし、汚染餌を食べなくても、呼気と水だけで十分に筋肉、心臓と腎臓にセシウムが溜まり、牛によるセシウムの取り込み方が人間と似ているとしたら・・・









2013年1月23日水曜日

日仏会館で行われた3/19バンダジェフスキー博士による医師向けセミナー  ~ 「フェリックスやまのブログ」より


博士がどのような思いで今回のセミナーに臨んだか、小冊子に書かれているコメントが、そのすべてを物語っていると思います。まずその部分をご紹介します。配られたテキストは英文でしたので「終わりに」の冒頭部分の抄訳です。

この小冊子の使い方について、体内の臓器と結合した放射性物質の挙動で明らかになった情報を、どのように活用するか考え続けていました。

不幸なことに、現代社会におけるこの問題に対する態度は、どう見ても無関心といえます。

人類のこのような態度によって、私達はとても高い代償を支払っているといえます。その恐ろしさをわかっていての無関心は、悲劇を巻き起こします。

この問題に携わる医学者達に対する非難は、計り知れないほど大きなものです。

これまでに得られたデータを基に、人々へ伝えないばかりではなく、放射性核種は臓器との結合することによって、生命に対して有害に導くことさえ研究をしようともしません。

私はこの小冊子が、現実に起きている問題に対して欠けている情報を、埋め合わせることは出来ないと分かっています。

それにもかかわらず、私はこの問題に興味を持っていただき、議論することへ導いていただけることを願っています。それこそが最も有益なことです。


Conclusion

While working on this book, I kept thinking about the need to inform
every civilized individual of the dangers of radioactive substances when
incorporated into the body.
Unfortunately, the attitude of the present society to this is, at best,
indifference.
We pay a very high price for this in the form of human lives.
Intelligent ignorance leads to a tragedy.
To a great extent the blame rests on medical scientists. Not only they
not try to inform population using previously obtained data, but they
did not study adverse changes in the body due to incorporation of
radionuclides.
I am aware that this a little book cannot make up for the lack of
information on the existing problem.
Nevertheless, I hope it will raise some interest,
leading to discussion of the problem. This will undoubtedly be helpful.

(Yuly Bandazhevsky, Professor, M.D., Ph.D. Japan Lecture Tour BOOK2)


セミナーにおける冒頭、ご自身の研究経緯について述べられました。

医学大学を出て研究所にいたものの、実際にはたいした仕事はありませんでした。チェルノブイリの大事故が起きた後も、政治家や医師たちは口々に「しっかり対応している」といっていましたが、何も進んでいるとは感じませんでした。そこで大臣へ手紙を書いたのですが、「なんてこと言うのだ」と叱責をうけたほどでした。

そして1990年、33歳の博士は、大変高い放射能汚染地域であった為に、すべての医師が脱出してしまったゴメリ州へ赴任しました。

しかし、ゴメリへ赴任したもの、博士の肩書きだけであって、そこには何もありませんでした。そこで博士は、放射能で苦しむ人々を救うために、旧共産党本部の建物を利用して、州立医科大学の設立を行います。ところが、国からの資金援助はありませんでした。

博士は資金集めのキャンペーンを行います。欧州機構などから資金が集まり、多くの有益な研究をすることが出来るようになります。実生活に基づき放射性物質が人体にどのような影響を与えるか。チェルノブイリ原発事故後、初めて本格的な研究がスタートすることとなります。

母国ベラルーシには、放射能で汚染されていない綺麗な土地はまったくない状況です。そういった中で、運営には企業からの寄付でまかなっていました。

研究を進める中で、国に対してさまざまな助言をしましたが、まったく黙殺されていました。母校へも手紙を書きましたが、こちらも同様に黙殺されます。このような状況を打破すべく、イギリス、フランスなどでも研究成果を発表。日露シンポジウムで初めて公にすることが出来ました。その後、世界中の学者たちが援助してくれるようになりました。

原水爆実験によって、ベラルーシのゴメリにおいて大きな影響があったと考えられます。

当時のソ連政府は市民の健康より、欧米諸国に対抗するため経済的、軍事的発展を優先していたことが伺われます。その結果、人々の健康に致命的な影響を与えました。

私の下にいた学生がある図書館で偶然、見つけた貴重な汚染地図によって、そのことが分かりました。本当は極秘文章であって、そのような図書館で見ることはできない資料です。




私はこの1960年代におけるセシウム137の牛乳への含有量を閣僚の前でプレゼンをし、その2週間後に逮捕されました。
また、チェルノブイリ事故の後、モスクワに雲がこないようにその雲を爆破したためベラルーシの汚染はよりひどいものとなりました。避難させた子どもたちも、避難先で急死していきました。

ウクライナのイワンコフ地域は、ゴメリよりひどい汚染状態にあります。2000~09年の死亡率は24.3~30.3%にものぼります。情報、施設も、きれいな食料も与えられていません。収容所のようなものです。このような状況を改善すべく400万ユーロの資金をフランスから受け取りましたが、これらの改善には利用できない状況にあります。

大統領に真実を言い続けました。「国家が助けなければ、誰が助けるのか」と。

東電福島第一原発の事故後も、日本政府や学者たちの対応は、旧ソ連や現在のベラルーシ、ウクライナ政府となんら変わりはありません。

私たちには「正しい情報」を伝える義務があります。

私のデータや、研究は人々の福祉に捧げるべきであり、どうか日本語に訳していただくことを願っております。

2008年のベラルーシ共和国における心血管疾患による死亡は52.7%にものぼり、悪性腫瘍による死亡の13.8%の4倍にものぼります。

これは心筋梗塞のみではありません。解剖し、その原因をしっかり解明すべきであり、年を重ねるごとに患者は増え続けています。

ところで、子どもが白内障になることはありませんが、白内障が見られ、その子どもたちは誰一人生存していません。そのことをモスクワで発表すると「黙れ!」と・・・・・。

投獄後、私の下にいた多くの医師たちはドイツやアメリカに行きました。

彼らに対して、「医師は技術者ではなく、人々の為に自分のことを考えずに助け続けることが使命である。その使命を果たすために客観的なデータが必要だ」といい続けていました。人々を騙すことはできません。





リンゴ酸、ペクチンを使った排出効果を見極める研究もしました。

たしかに排出は活発になるが、効果は限定的であり、効果は認められない。また、人の体に大切なものまで一緒に排出してしまうため、しっかりと医師が使用の管理をしなければならない。ペクチンの効果などについて子どもは実験台して研究をするものではなく、あくまでもラットなどで行うべきです。

放射性核種は、絶対に触れてはいけないものです。

汚染地帯に人を戻すというのは決して行ってはいけない。

体内に一度取り込まれると、仮に排出できたとしてもそれまでに体内は傷ついています。

一度環境中に放出された放射性物質は、どんどん広がってしまいます。

このようなセミナーの情報を、勉強会などを開いて、どんどん広げなければなりません。

まず、1991年より本格的にセシウムによる内分泌の研究を始めました。

ラットに45Bq(/kg?)の放射性セシウムを注入すると、ミトコンドリアに大きな異常。エネルギーシステムの不安定さによって、クレチンホスホキナーゼの抑制、活性酸素が1/2に減少など、代謝とエネルギーシステムに異常が見られました。

(1kgあたり)38~74 Bqの放射性セシウムが体内に蓄積されている子どもにおいて、心電図に異常がないのはわずか20%にとどまります。

心筋の代謝に大きな影響があり、酸素の取り込みにも支障をきたします。

何故、このようなことが起きるのか、私達は考察し続けました。その結果、放射性セシウムに対して我々生物は免疫がないため、遺伝子異常や神経、内分泌機能に異常をもたらすというものです。

ラットに対して、様々な臓器にセシウムを注入、すると心臓、血管など何処にでも蓄積することが判明しました。まったく免疫がないため、セシウムの蓄積が増すほど、その影響は深刻なものになります。そして代謝異常のほかに、不整脈も起こります。

これらの現象の要因として、遺伝子的要因が考えられます。それは1960年代からセシウムのみならず、様々な化学物質によって、遺伝子の異常が世代間で受け継がれたことによると。また研究では鉛の血中濃度が高かったことが上げられます。これらの複合的な化学物質の影響によって、多くの機能がブロックされてしまいます。

その為、心筋において、放射性セシウムの濃度に関係なくびまん性細胞溶解、筋肉間浮腫、筋繊維断裂などが発生します。こういった現象は遺伝子によってもたらされるため元には戻りません。

放射性セシウムは、カリウムにその性質が似ているため、生態に大きく影響すると考えられます。






放射性セシウムの崩壊によってもたらされるそのすさまじいエネルギー量の細胞への影響は甚大なものです。そして、本来カリウムから取り出されるべきエネルギーを得ることができず、血液の正常な循環を妨げます。

私達の動物実験や疫学調査を通して、病理学的にすべての疾患をセシウム137は、悪化させることが分かりました。

エネルギーシステムを悪化させることで、筋の収縮に影響を与えるということです。汚染地域に住んでいた人々の病理解剖をして、微量のアルコールなどを見つけると、「酒やタバコの摂取によって死んだ」と、当局は主張していますが、それは大きな誤りだと言うことができます。

確かに放射性物質によって健康が損なわれ、絶望と恐怖から、飲酒やタバコの摂取が多くなったことでしょう。しかしそれが突然死の死因ではありません。セシウム137などの放射性物質によって、突然死がもたらされたのであり、アルコールやタバコの摂取量が原因であることは考えられません。

セシウム137を注入したラットとゴメリで亡くなった人の腎臓の状態は、全く同じでした。それは、糸球体の壊死が見られ、私たちはこの現象を「溶けた氷柱」と名づけました。

このことを政府当局に伝えると、「全国民に死刑宣告をするようなもの」として止められました。

このように、すべてを隠蔽する当局と、どのように向き合うかが課題です。

逮捕され、すべてのプレパラートは失われました。ほんの少し残ったデータを基に現在活動している状況です。

さて、放射性核種を体内に取り込むと、再生システムプロセスより、破壊システムプロセスの力が大きいと言えます。これが恐ろしい実態です。

日本で発売されている本は、ロシア語から英語に訳されたときに多くの誤りがあり、日本語版も精度に欠いていることを付言します。

100Bq/㎏超の汚染地帯の子ども達に、かんきつ類などに対するアレルギー反応が大きいことが分かりました。結核も多く見られますが、治療は困難です。

1991年から、私達はセシウムを用いた大掛かりな実験をすることになりました。その中で、妊娠中のラットにラジウムとセシウムを注入した実験がありました。ラジウムは、胎児に何の影響も与えませんでしたが、セシウムは胎児に大きな影響を与えることを突き止めました。

母親の副腎に取り込まれた放射性セシウムの影響で、コルチゾールの数値は、その濃度と直接的な関係が表れます。臍帯を通して胎児に影響を与えることとなります。コルチゾール産生の変化は、母親が体内、特に胎盤に大量のセシウム137を蓄積した新生児に、とりわけ顕著に見られました。

このことは、当然、新生児の誕生後の適応不能が、目に付くこととなります。特に新生児の肺に対する影響は大きいため、出産後間も無く死亡するケースの原因となっています。

放射性核種が体内に取り込まれた場合、あらゆる臓器に影響を与えてしまうため、複数の専門医の連携による総合的な判断と治療を行わなければ、多くの命を無駄に失うこととなるでしょう。

「どのように子ども達の遺伝子が異常を起こすのか」を確認するために、中絶した胎児を集めることになりましたが、わずか3週間足らずで多くのサンプルが集まりました。

不妊は、セシウムの影響であると考えられますが、無視されています。旧ソ連では、不妊を治療するために、生活地域を変える試みが成果を上げていました。今となるとその理由は明らかだといえます。

先天性の異常の研究は、旧ソ連で、純粋な動機で始められていました。チェルノブイリ事故後、ベラルーシにおいても本格的に研究がなされますが、外部で話すことを禁じられました。そして研究所も閉鎖されました。そこでの研究は命がけだったといえます。

国民・民族は、自ら(社会のシステム)を守ろうとして、結局は自らを滅ぼすこととなります。

現在私のいるウクライナでは、人々の健康状態は決して良くありません。クリーンな食事と妊婦に対する対策を行うべきですが、そこには何ら対策を採らず、高額な心臓手術、まして失敗する確率が高いにもかかわらず、その対策に高額の予算が費やされています。

まして、その異常を解明するための解剖も禁じられてしまっています。

日本ではこのようなことを避けて欲しいと願っています。この対策は政府レベルですべきことであり、政府を動かさねばなりません。

市民レベルにおいて、この問題を沈黙することは、罪だと思います。

以下は、質疑応答となり、博士のコメント

病理的組織片を作るには、すべての部分が必要となります。セシウムはあらゆる部位に散在して結合します。よって、どこからの組織にあるか満遍なく調べる必要があります。

神経システムは、脆弱であり、大脳のアドレナリン分泌が下がります。チェルノブイリ事故後、若者の自殺が多くなっている。頭部の神経系統に何らかの問題があると考えられます。

セシウムが体内に入ると、あらゆる臓器の免疫システムと代謝システムを弱めることになります。多くの研究がなされているのに、全くそれが生かされていないのが、チェルノブイリ事故後の現状です。

特に心臓と腎臓においては、一旦健康を損ねると、健康を回復させることは出来ません。副腎に溜まると糖尿病になります。

鼻血は、汚染の高いところに長期間滞在すると、良く出る症状です。

また、全員にたんぱく質の異常が見られました。出来るだけ多くの検査をする必要があります。子どもの健康の為に何が出来るか考えねばなりません。

瓦礫の問題も、考えなければなりません。命を救うために、出来ることはやるべきです。

放射能の恐怖に対して、無駄なものは何もありません。放射能へのアレルギーは必要です。私が恐怖を煽っていると「チェルノブイリの祈り」で書かれていますが、命が脅かされているのであり、パニックにならなくても、これほど恐ろしいものは他にはありません。

25年経過してもベラルーシでは何も変えることが出来ません。現在ベラルーシは絶望的な状況にあり、一種のあきらめに似た状況です。

自然放射性物質のカリウム40は、常に人体内において一定量を保っていますが、人工放射性物質セシウムは細胞内に取り込まれるとシステムを破壊し、危険な状態になります。

食物などでシーベルトによる測定は意味がなく、あくまでもベクレルで表示すべきであり、常に0ベクレルを目指すことが求められます。それ以外の努力は無駄に近いといえます。(ゆえに汚染地帯にい続けることは健康を守れません)

何処の臓器でもセシウムの半減期は同じです。

以上

2013年1月20日日曜日

八王子市はがれきを焼却します。問答無用です。


                                                                                                   平成25 年1 月9 日
  ○○ ○○     様
                                                                                                   八王子市長 石森 孝志



                                              災害廃棄物の受入れについて



 平成24年7月17日から12月29日の複数回にわたりいただいたメールで、宮城県女川町の災害廃棄物の受入れに対しご意見、ご要望や情報提供をありがとうございました。
 今回いただきました○○様のご要望にはお応えできません。本市は今月から災害廃棄物の受入れを予定どおり開始いたします。これまでの説明で受入れに対してのご心配や不安をぬぐえなかったことは誠に遺憾ですが、受入れに際し情報公開をしながら安全には細心の注意を払い災害廃棄物の処理を進めてまいりますので、ご理解をいただきますようよろしくお願い致します。


                               《問合せ先》
                              八王子市 環境部 ごみ減量対策課
                              八王子市元本郷町三丁目24-1
                                 電話 042-620-7256
                                 FAX 042-626-4506
                                 E-mail b111200@city.hachioji.tokyo.jp